2016 Fiscal Year Annual Research Report
Proposition of multi-layered emergent hierarchical structure for next-generation information social infrastructure system
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26540153
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
栗原 聡 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 教授 (30397658)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
諏訪 博彦 奈良先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 助教 (70447580)
篠田 孝祐 電気通信大学, 大学院情報理工学研究科, 助教 (90533191) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 多段創発 / ボトムアップ / 時系列データ / 人工生命 / 大規模複雑システム / Deep Learning / 中間層 / 仮想細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,従来の還元論的な階層構造とは根本的に異なる,生命や生態系といった下層がボトムアップ的に情報を創発させる複雑階層構造において,「下層が上層をボトムアップ的に多段階に創発するしくみ」,並びに「上層を制御するための下層の制御方法の創出」を本研究の主目的とする.この,複雑階層構造に基づく,複雑システムの理解・構築・制御は,早急な開発・運用が求められるスマートグリッドやアンビエント情報基盤,そしてビッグデータを背景とする次世代情報社会インフラシステム等の構築に際して極めて重要な技術となる. 初年度は,多段創発型階層構造において下層が上層をボトムアップ的に多段階創発するしくみの創出を行った.群知能型最適化手法での代表的なACOにおける,フェロモンを用いた間接協調メカニズムに基づく「時系列データからのパタン抽出法の提案」を行った. 2年目は,近年注目されているDeep Learningを題材とし,多層型NNにおける中間層のダイナミクスについて研究を行った.多層型NNにおいては,下層での具体的なデータからの抽象的な特徴が中間層にて獲得される.つまりは中間層において,汎用的な特徴が創発されていると言える.そこで,今回は,中間層にて創発される汎用性の高い特徴を別のデータに適用させる方法について取組んた. 最終年度となる3年目は前年度での多層NNにおける中間層からの情報抽出に着想を得て,初年度に取り組んだACO型の時系列パタン抽出法において,これを多層とするアルゴリズムの創出を行った.現段階ではまだ初期動作実験レベルであるが,そのコンセプトについて国際会議にて採択されている.また,人工生命研究から着想を得て,生物における細胞に相当する仮想細胞の自己組織化による多段創発実験も開始したところである.本研究は終了となるが,一定の成果と次に続く流れを作ることができた.
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Research Products
(7 results)