2015 Fiscal Year Research-status Report
子どもの読書への関心を高めるプログラムの実践と評価
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26540168
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
鈴木 佳苗 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (60334570)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 読書興味 / 読書プログラム / 幼児 / 図書館 / 評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、幼児を対象として、読書などへの関心を高めるための「ぬいぐるみのとしょかんおとまり会」のプログラムを検討し、その実践と評価を行うことを目的としている。 2015年度は、(1)昨年度に実施したプログラムの再検討、(2)公共図書館における複数回(2回)の実践と評価を行った。従来の「ぬいぐるみのとしょかんおとまり会」のプログラムでは、子どもたちは初日にぬいぐるみと一緒におはなし会に参加してからぬいぐるみを図書館にあずけ、翌日以降におむかえに行くという構成が多かったが、本研究では、2014年度に、ぬいぐるみを初日にあずかり、最終日におはなし会と参加者全員でのふりかえりを行うというプログラムを提案し、実践を行った。2015年度のプログラムは、昨年度のプログラムに対する図書館員からの評価などに基づいて、参加者の年齢やあずかるぬいぐるみについての規定、としょかんのぬいぐるみの様子の写真撮影の方法、おはなし会のプログラム構成などを一部変更した。 2015年度の「ぬいぐるみのとしょかんおとまり会」は2015年7月と2016年3月に茨城県内の公共図書館で実施した。最終日のおはなし会当日に、実践に参加した幼児の保護者を対象として実践についての評価とその評価の理由などについて尋ねた。その結果、参加者全体を通じてプログラムへの評価は高く、その理由としてプログラムの内容自体が多くあげられていた。このような結果から、本研究のプログラムは、従来のプログラムの内容からの変更点を含めて参加者から高い評価を得ることができたと言える。また、プログラム参加前と参加後約2週間の間に、実践に参加した幼児の保護者を対象として最近1週間の家庭における読み聞かせの状況などについて尋ねた結果、読み聞かせの冊数が増加する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2015年度に実施した「ぬいぐるみのとしょかんおとまり会」のプログラムに対して高い評価が得られた。したがって、プログラムの構成がほぼ固まり、今後、より多くの参加者を対象として、読書などへの関心に対するプログラム実践の効果を検討する準備が整ったと言える。また、研究成果については2015年度中に論文を1本投稿している。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年度には、2015年度までに実施した「ぬいぐるみのとしょかんおとまり会」の実践プログラムを茨城県内の幼稚園・保育園で実施し、読書などへの関心への効果を検討する。
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Causes of Carryover |
主な理由としては、旅費の支出額が予定額よりも低くなったことがあげられる。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
2016年度にはプログラムの実践を複数の場所で行う予定であり、また、研究成果の公開などにも2015年度に発生した次年度使用額を合わせて使用する予定である。
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