2014 Fiscal Year Research-status Report
博物館における展示学習のためのスタンプなびのデザイン
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26540186
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Research Institution | Tama Art University |
Principal Investigator |
楠 房子 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (40192025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳久 悟 慶應義塾大学, メディアデザイン研究科, 講師 (50529378)
稲垣 成哲 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (70176387)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | タンジブルインタフェース / ミュージアム / アニメーション / デジタルコンテンツ / 郊外学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
26年度の成果は以下にまとめられる。 1)博物館の来館者であるこどもが使いやすいタンジブルなインタフェースデザインの調査と事例研究の収集(楠,石山,稲垣)情報デザイン関連分野、教育工学関連分野および、博物館学の領域の学術論文を収集、レビューし、本研究の基盤となる情報デザイン・教育工学・博物館学の観点から見た展示支援のメディアデザインのための理論的枠組みを探索した。関連図書や学術論文に関する研究資料は、データベース化し、基礎資料の有効活用を目指した。ここで作成した理論的枠組を仮説として、2 年間の研究への取り組みを通じて、身体性に基づいた来館者の興味と展示の理解に対応できる支援環境の理論的枠組みを指向した。
(2)プロトタイプのデジタルコンテンツのデザインとセンシングシステムの開発と予備実験の実施(平成26年度:楠・石山・徳久・稲垣・先山) クイズ型のデジタルコンテンツのデザインを行った。また予備実験は2つを行った。まず大学生を被験者としてタンジブルなインタフェースを開発する。予備実験では被験者は大学生とする。実験データは、ユーザビリティの適否、コミュニケーションからの動機付け、画面デザインの効果の観点から評価した。本予備実験では、インタフェースデザインの精緻化、システムの精度の向上、安定性の確保等、詳細なチューニングを実施する。次に、大学生を対象とした実験の成果を踏まえ、本システムを改良し、実際に来館者であるこどもを被験者とし、26年度の後半に予備実験を博物館で実施した。博物館は、連携研究者の所属する兵庫県立人と自然の博物館で行った。実験データは、大学生対象の予備実験と同様に処理して、本システムの改良への指針を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
理由は以下の2点にまとめられる。 (1)26年度は、分担研究者の協力もあり、デジタルコンテンツのデザインの策定が順調に行われた。そのためコンテンツの制作が順調に進んだ。そのため、年度の前半に予備実験の日程を予定することができた。(2)連携研究者の所属する博物館(ひとと自然の博物館)の協力があり、こどもを対象とする実験を予定より多い人数でく実施することができた。またその成果を分析したところ、有効性が検証された。また改善すべき、コンテンツのデザインや、インタフェースの改良も明確になったため、来年度にむけて分析検証し、本研究の成果を学会発表や論文投稿する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は以下の予定で研究を進める。 (1) 博物館の来館者である子どもが使いやすいタンジブルなインタフェースデザインの調査と事例研究の収集(楠,石山,稲垣)平成27年度も引き続き、情報デザイン関連分野、教育工学関連分野および、博物館学の領域の学術論文を収集、レビューし、本研究の基盤となる博物館における展示支援のメディアデザインのための理論的枠組みを探索する。(3) 博物館における来館者の利用に対応しシステムの実現(楠・徳久) 平成26年度に行った予備実験の評価分析の結果に基づいて、コンテンツ、システムの改善点を明確にするとともに、拡張の可能性も検討し、スタンプ・ナビとセンシングシステムを組み合わせたネットワーク型システムの設計・開発と実装に取り組む。開発の焦点は、ネット型ワークシステムでは、来館者の多様性に対応すること、人数が増え、時間も延びることを考慮し、分散配置するキネクト群の配置の工夫、連続稼働時間の可能性を図る。 (4)来館者を対象に本実験・検証・分析(平成27年度:楠,石山,稲垣,徳久,先山) 昨年度の実験から得られたデータを総合的に分析する。実験は、兵庫県立人と自然の博物館や、他の博物館においても実施する。来館者40名程度を被験者として、2日間、1日2回にわけて実験とする。本実験で得られた数量的データとしては、ユーザビリティの適否、デジタルコンテンツからの動機付け、タンジブルを用いたインタフェースデザインの効果、履歴情報からの博物館のコンテンツの理解度等を評価する。アンケート・ビデオ等のデータを検討し、有効性と改善点を明らかにする。自由記述等の主観的なデータは、テキストマイニング等の手法を用いて整理を行う。評価分析の結果は、国内外の学会に論文投稿する。
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Causes of Carryover |
今年度、研究成果を検討学会に論文を投稿予定であったが、国際会議に採択されたため、共同研究者と討議した先に国際会議での発表を行い、論文投稿を次年度に行う予定とした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
26年度の成果の論文投稿、英文校閲や、論文投稿の検討の会議などの交通費などのために使用する予定である。
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Research Products
(3 results)