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2014 Fiscal Year Research-status Report

有糸分裂期のDNA損傷の影響と応答

Research Project

Project/Area Number 26550027
Research InstitutionKyoto University

Principal Investigator

松本 智裕  京都大学, 放射線生物研究センター, 教授 (80212223)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords有糸分裂期 / 損傷修復 / スピンドルチェックポイント / テロメア
Outline of Annual Research Achievements

有糸分裂期は放射線感受性が最も高い細胞周期ステージであるが、その理由は明らかでない。凝縮した染色体が修復タンパク質の損傷部位へのアクセスを妨げる、あるいは染色体運動のため、二重鎖切断部位が互いに離れてしまい、修復不能であるといった理由が考えられる。また、有糸分裂期には、DNA損傷チェックポイントが機能しないとも考えられている。これらの予想は互いに排他的ではなく、有糸分裂期の高い放射線感受性は、これらの要因の総和の結果かもしれない。本研究の目的は、分裂酵母とヒト培養細のそれぞれの利点を活かし、1)有糸分裂期の損傷部位への損傷修復タンパク質の集積能の検定、2)有糸分裂期における損傷修復能の検定、3)有糸分裂期において損傷をうけた染色体の動態を解析し、そして、4)有糸分裂期の放射線応答に対するスピンドルチェックポイントの作用機序(特に損傷察知)を解析することにある。
本研究の開始直後、ヒト培養細胞系では、有糸分裂期の損傷能が低下することで、テロメア同士の融合を防止することが報告された(SCIENCE VOL 344 11 APRIL 2014)。このため、26年度は、分裂酵母を用いた研究を優先した。特に、テロメア近傍のDNA損傷が引き起こす細胞応答に注目し、その結果、テロメア近傍に存在する種々のストレスに応答して発現する遺伝子群の発現制御にかかわるタンパク質Bdc1を同定した。また有糸分裂期の代表的なチェックポイントであるスピンドルチェックポイントの活性化の指標として、セキュリン(分裂酵母のCut2)の修飾(おそらくリン酸化)を見いだした。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

開始直後の報告(SCIENCE VOL 344 11 APRIL 2014)により、ヒト培養細胞系で、有糸分裂期の損傷能が低下することが示された。よって、分裂酵母モデル系での研究を推進した。特に、テロメア近傍に存在するストレス応答遺伝子群の発現制御にかかわる因子(Bdc1)を同定したことは大きな収穫であった。これらの遺伝子群の中には、損傷修復に機能するものも含まれており、ヒト培養細胞系で有糸分裂期において損傷能が低下する現象と関連する可能性がある。また、損傷誘導時にスピンドルチェックポイントの活性を簡便に測定する指標としてセキュリンの翻訳後修飾を見いだした。この指標は次年度の研究の推進に大いに役立つ。

Strategy for Future Research Activity

27年度も分裂酵母モデル系を用いた研究を推進する。特に、テロメア近傍に存在するストレス応答遺伝子群の発現制御にかかわる因子(Bdc1)の作用機序を明確にすること、またセキュリンの翻訳後修飾の実体を解明することを大きな目標としたい、

Causes of Carryover

ヒト培養細胞系の研究を保留したこと、また内部経費により試薬等を購入できたことにより、26年度は使用額が計画を下回った。

Expenditure Plan for Carryover Budget

27年度は、分裂酵母モデル系の研究推進のため、試薬等の購入量と非常勤技術補佐員の雇用時間の増加を予定している。

  • Research Products

    (1 results)

All 2014

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Involvement of S. pombe Aurora kinase in the regulation of heterochromatic imprint at the subtelomere.2014

    • Author(s)
      Masahiro Takado, Tatsuki Kunoh, Yuji Chikashige, Tomohiro Matsumoto
    • Organizer
      日本分子生物学会
    • Place of Presentation
      パシフィコ横浜
    • Year and Date
      2014-11-25 – 2014-11-27

URL: 

Published: 2016-05-27  

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