2016 Fiscal Year Annual Research Report
Process to raise loving family for couples who had their first baby after one month separation due to child birth at wife's parents' house
Project/Area Number |
26560030
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
保田 ひとみ 金沢医科大学, 看護学部, 講師 (00363119)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳原 真知子 金沢医科大学, 看護学部, 教授 (70289990)
畑下 博世 三重大学, 医学系研究科, 教授 (50290482)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 里帰り / 母親 / 父親 / 夫婦 / 初産 |
Outline of Annual Research Achievements |
里帰り分娩は、産後の身体回復や育児不安の解消などの利点がある一方で、夫の家事育児の減少や夫婦関係と父子愛着への影響などが懸念されている。そこで本研究は、妻(母親)が里帰り分娩後自宅に戻った後(以下里帰り分娩後)から1か月間において、初めて母親・父親となった夫婦は、どのような気持ちで3人の家族作りを行っているのか、その体験を明らかにすることを目的としている。 平成28年度は、昨年度に引き続き夫婦を対象としたデータ収集と分析を行なった。本年度も、夫の仕事の都合により夫婦での研究参加の協力を得ることは困難であったが、4組の夫婦の承諾が得られ、研究参加者は合計5組の夫婦となった。分析結果として次のことが明らかになった。 里帰り中の夫婦間の連絡は、コミュニケーションアプリ、メールおよび電話等を活用し頻繁に行なわれていたが、これは「里帰り中だから」という理由ではなく、これまでの日常生活の延長であった。さらに、出産後は、妻(母親)が夫に見せたい子どもの瞬間を捉えた写真や動画等を夫(父親)に毎日送ることをとおして、夫婦の信頼や父性意識が高められていた。これらのコミュニケーションツールを用いた夫婦のコミュニケーションは、現代の特徴であり、里帰り分娩の欠点といわれている夫婦関係や父子愛着への影響を補うことに繋がると考えられた。 また、夫婦にとって里帰り分娩は、実家から支援が得られる安心感に加え、親として発達していくための見習い期間となっていた。
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