2016 Fiscal Year Research-status Report
乳幼児の心理的発達に関わる美術館における鑑賞プログラムの分析と開発
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26560150
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Research Institution | Musashino Art University |
Principal Investigator |
杉浦 幸子 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (90635955)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三澤 一実 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (10348196)
米徳 信一 武蔵野美術大学, 造形学部, 教授 (80240381)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 鑑賞教育 / 乳幼児教育 / アート / 美術館 / 実験心理学 / 動画記録 |
Outline of Annual Research Achievements |
急速に視覚機能が発達する乳児期(生後3ヶ月ー12ヶ月)の学習に、美術作品の鑑賞や美術館といったアートにまつわる場所、そしてそこに集う人々が、どのように寄与できるかについての研究で、3年目にあたった28年度には、過去2年間とは異なるモノ、環境に接触することのできる美術館において鑑賞体験を行い、過去のデータとは異なるデータを取得すた。また、過去のプログラムの計画から実施までを分析し、同様の乳児の美術館体験プログラムをさまざまな美術館で実施可能とするためのマネジメントのプロトタイプとなるデザインとプログラム実施者の育成に着手した。 具体的には、2016年7月に、東京都庭園美術館において、美術館の正式なプログラムとして募集をかけ、14組36名の応募から年齢や生育環境の違いなどから4組13名の親子を選抜し、1組に一人のサポートスタッフを配置し、約1時間の鑑賞プログラムを実施した。過去のプログラムと異なった点としては、今回のプログラムを実施した館がかつて住宅であり、空間内に通常の美術館とは異なるさまざまな刺激物があったこと、ファッション展ということで、マネキンが服を着用した状態の立体物と絵画などの平面作品が混在していたことが挙げられる。終了後は、館の学芸員、サポートスタッフ、記録担当者による振り返りを行い、募集、受付、プログラム実施までをトータルで捉えた乳児の鑑賞サポートの手法の開発に向けたディスカッションを行った。 また、乳児の学習のための美術館活用の認知度を高め、美術にとどまらず、乳児に関連した分野に研究の成果を共有するために、助産師を対象とした専門雑誌『助産雑誌』(医学書院)2016年12月号に、上記のプログラムを取材していただき、プログラムについての記事を掲載した。 また、過去に収集した映像データを分析する準備として、映像の編集作業を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
申請書には、研究最終年である28年度の計画として、1.国外の美術館などの機関と、乳幼児を対象とした教育プログラムの共同開発(新規)2.3年間の成果を広く公開し、共有するシンポジウムを開催(新規)3.研究全体の報告書を作成(新規)4.乳幼児を対象とした国内外の美術館の展覧会、教育プログラムのリサーチおよびネットワーク構築(継続)の4点を掲載した。 それらの達成状況を分析し、4.の継続したネットワーク構築は行えた反面、1.国内の美術館との連携によるプログラム開発は行うことができたが、目標に挙げている国外の美術館との連携が行えていない、2.広く専門家を対象とした雑誌での成果共有は行えたが、シンポジウムといった直接交流を行う形での共有は行えていない、3.研究全体の振り返りと分析には着手しているが、報告書作成は途上である、という状況から、やや遅れている、という評価を行った。 その理由として、研究代表者および分担者の大学における教育・運営業務が当初予定より多忙になったため、国外の美術館、研究機関との連携に関わる調整や、研究成果発信のための媒体制作を進めることができなかったことが挙げられる。
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Strategy for Future Research Activity |
3年間で完了する研究計画を策定していたが、研究代表者および分担者の大学における教育・運営業務が当初予定より多忙になったことにより、完了できなかった部分を期間延長することで完了する。 具体的には、乳幼児を対象とした国内外の美術館の展覧会、教育プログラム、乳児との取り組みについてのリサーチ、ネットワーク構築を引き続き実施するとともに、下記の3点を実施する。 1.国外の博物館、美術館と乳児を対象とした教育プログラムの共同開発を行う。2.研究の成果を広く公開し共有するシンポジウムを開催する。3.研究全体の報告をまとめ、ウェブないしは印刷媒体を通して共有する。 1.の国外連携先候補としては、台北市美術館(台湾)Tate Modern(イギリス)ボストン美術館、メトロポリタン美術館(アメリカ)などを考えている。2.のシンポジウムについては、広く一般に告知し、共同研究者やこれまでプログラム実施に関わった美術館学芸員やサポートスタッフ、参加者などをパネリストとしてデザインする。
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Causes of Carryover |
今年度の研究計画が大学業務などの影響により、当初の計画通りに進まなかったことから、当初予定していた旅費、シンポジウム、報告書制作にかかる経費を支出しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は一年延長しての研究最終年度となるため、海外での研究および成果を実施するとともに、他者に研究成果を伝えるため、旅費、シンポジウム経費、報告書印刷費、およびウェブサイト構築費に支出するものとする
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Research Products
(1 results)