2015 Fiscal Year Annual Research Report
レーザスキャンとデジタルヒューマンを融合した大規模実環境のアクセシビリティ評価
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26560168
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
金井 理 北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (90194878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊達 宏昭 北海道大学, 情報科学研究科, 准教授 (20374605)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 安心の社会技術 / デジタルヒューマンモデル / アクセシビリティ / レーザスキャン |
Outline of Annual Research Achievements |
実環境をレーザ計測して得られた高密度点群から,人間行動シミュレーションのための実環境モデルを自動構築する技術を実現し,さらに実環境モデル上でのデジタルヒューマンモデル(DHM)を用いた人間行動シミュレーションに基づき,実環境のアクセシビリティを定量評価する手法の開発を目的とし,以下の成果を得た. (1)実際の平地直進歩行のMotion-Captureデータを,計測環境とは異なる傾斜面・階段・平地旋回歩行などの実環境モデルに対し適応的にフィットさせ,13歳から72歳までの様々な年齢・性別の人間と類似したDHMの自然な歩行運動を自動生成する機能を開発した.生成された膝関節や股関節の運動パターンをMotion-Captureデータと比較し,関節角最大誤差が5-6degと高精度に近似可能なことが確認できた. (2)DHMの歩行シミュレーション実行中において,床面からのつま先クリアランスを推定する機能を開発し,実環境モデル内で「つまづき」が発生する可能性のある個所を推定可能とした.またその個所周辺において,Motion-Captureデータの歩行開始位置・歩幅・遊脚足関節高さを確率的に変化させ,モンテカルロ法により,つまづきリスク増加を定量評価する機能を開発した.これにもとづき,30mm程度の段差で,つまづきリスクが数10%程度増加すること,高齢者のリスク上昇値が若年者より13%程度も増加することが示唆された. (3)認知的な観点に基づき,環境の経路探索の容易性をDHMによるシミュレーションで評価する基本機能として,実環境モデル中に掲示されているサインの可視性・視認性を推定し,視認されたサインの指示情報に基づいてDHMが自律的に指定目標点までの経路選択を行う機能を開発するとともに,不適切なサイン配置やサイン不足による迷い個所を自動推定する機能を開発した.
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