2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
26560192
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中島 伸一郎 山口大学, 理工学研究科, 助教 (70346089)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 舗装 / 雨水貯留浸透 / ゲリラ豪雨 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究が提案する側面流入型の貯留浸透舗装は,豪雨時に道路側溝内の水位が一定以上に上昇すると,側溝側面に設けられた流入口から舗装体内に雨水が流れ込む構造である.流入口は路盤の高さに設けられることから,路盤材の流入・透水特性が舗装全体の治水性能を支配する重要な因子のひとつとなる.本年度は,路盤材の基本的な水理特性を明らかにすることを目的として,粒度を種々に調整したクラッシャラン材(C40)に対する飽和透水試験を実施した.使用材料の最大粒径が40 mmと大きく,通常の土質用の透水試験器(内径100 mm×高さ125 mm)は用いることができないことから,内径300 mm×高さ500 mmで真空脱気が可能な大型透水試験装置を新たに製作した.動水勾配0.01~1.0,透水時間約300時間で試験を実施した結果,用いたC40材の飽和透水係数は粒度や動水勾配を変えてもおおむね10-3 m/sオーダーであること,細粒分(< 0.075 mm)が少なくなるほど透水係数は上昇するものの,JIS規定粒度以内であれば最大でも50 %程度の差であることが明らかとなった. 舗装構造を検討するうえで,雨水流入頻度が舗装の力学的耐久性に及ぼす影響についても重要である.直径1 m×高さ1 mの舗装模型に対する繰返し平板載荷試験により浸水条件が舗装の変形特性に与える影響を検討した.実験結果によれば,浸水により路面のたわみが増加するとともに路床面に作用する圧力も増加することが明らかとなった.飽和度の上昇によって路盤の変形が大きくなっていると考えられる.浸水頻度が低い場合には問題とならないが,頻度が高くなるような場合には路盤材料の耐水性の向上が必要となる可能性もある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は提案する舗装構造の水理模型実験まで実施する予定であったが,未実施であることから「やや遅れている」と判断している.これは本研究を進めるうえで,実際の路盤材料であるクラッシャラン材の透水特性の把握がまず重要であると考えて,そちらを先行して実施していたためである.大粒径材料の透水試験は過去の事例が少なく,精度のよい実験のために,新たな試験機の製作,試料の調整,試験条件の整理などを試行錯誤していたため,予想以上に時間を要した.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度は主に水理模型実験による提案舗装構造の流入特性の把握を行ない,水理特性から判断される最適な側溝流入構造の検討を行う計画である.実験の進捗が遅れる場合には,当初計画にある「透水性舗装の人工散水実験」については,来年度以降に実施する.
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Causes of Carryover |
年度末に予定していた出張(研究打合せ)をキャンセルしたため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
翌年度の国内旅費として使用する
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Research Products
(3 results)