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2014 Fiscal Year Research-status Report

冬眠動物はなぜ寝たきりにならないのか? -骨格筋萎縮耐性獲得の分子基盤の解明-

Research Project

Project/Area Number 26560369
Research InstitutionHealth Sciences University of Hokkaido

Principal Investigator

宮崎 充功  北海道医療大学, リハビリテーション科学部, 准教授 (20632467)

Project Period (FY) 2014-04-01 – 2017-03-31
Keywords冬眠 / ツキノワグマ / 廃用性筋萎縮 / 寝たきり
Outline of Annual Research Achievements

身体活動量低下に伴う骨格筋量の減少(廃用性筋萎縮)は、ヒトにおいては不可避の生理応答現象であり、最終的に運動機能やQOLの大幅な低下をもたらす。一方、クマ類をはじめとする冬眠性哺乳類では、約半年間におよぶ休眠後でも骨格筋量はほとんど減少せず、運動機能の維持に成功している。骨格筋タンパク質の異化作用(タンパク質合成の減少もしくはタンパク質分解の過剰亢進)の結果として惹起される廃用性筋萎縮という現象に対し、冬眠動物がどのような生物学的戦略を用いて耐性を獲得するのか、その詳細は全く明らかにされていない。本研究では、冬眠動物であるツキノワグマの骨格筋を対象とした網羅的遺伝子発現プロファイリングおよびその機能解析を行うことで、ヒトの廃用性筋萎縮撲滅を最終目標とした治療戦略の開発を目指している。
先行して行った予備的検討において、冬眠前後におけるクマ骨格筋を採取して分析を行ったところ、冬眠に際して骨格筋タンパク質代謝およびエネルギー代謝を制御するシグナル伝達系に変化が生じ、筋タンパク質の保持を行うための適応が生じている可能性が示唆された。この結果は、Experimental Biology 2015 (Boston) およびCell Symposia: Exetcise Metabolism (Amsterdam) において発表(予定)している。また平成26年度中における研究計画として、特にツキノワグマを対象に活動期および冬眠期で骨格筋サンプルを採取し、次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子発現解析を行うこととした。現在は計画通り、冬眠期におけるサンプル採取に成功しており、平成27年夏季には、同一個体からの活動期サンプルの採取を遂行予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

研究計画書にて申請した通りのスケジュールにて研究が遂行されている。平成26年度には、当初の計画通り大型冬眠性哺乳類(ツキノワグマ)からのサンプル採取(冬眠期における骨格筋採取)に成功しており、平成27年夏季には、同一個体からの活動期サンプルの採取を遂行予定である。また先行して行った予備的検討において、冬眠前後におけるクマ骨格筋を採取して分析を行ったところ、冬眠に際して骨格筋タンパク質代謝およびエネルギー代謝を制御するシグナル伝達系に変化が生じ、筋タンパク質の保持を行うための適応が生じている可能性が示唆された。この結果は、Experimental Biology 2015 (Boston) およびCell Symposia: Exetcise Metabolism (Amsterdam) において発表(予定)し、現在論文投稿を準備しているところである。

Strategy for Future Research Activity

現在まで、研究計画書にて申請した通りのスケジュールおよび方式にて研究が遂行されており、経過は極めて順調であるため、推進方策に大きな変更は予定していない。今後も、計画通りに研究遂行を行う予定である。

Causes of Carryover

必要とされる研究費用の多くは、次世代シークエンサーを用いた網羅的遺伝子発現解析を行うために使用予定である。サンプル採取を行う2つのタイムポイント(冬眠期および活動期)のうち、活動期のサンプリングはH27年度夏期を予定している。このサンプリングを終了させた後に次世代シークエンサーを用いた解析を行う予定であるため、次年度使用額が生じている。

Expenditure Plan for Carryover Budget

上記の通り、H27年度夏期に必要なサンプリングを終えた後、網羅的遺伝子発現解析を受託にて行う予定である。

  • Research Products

    (4 results)

All 2015 2014

All Presentation (4 results) (of which Invited: 1 results)

  • [Presentation] Hibernating bear muscle shows slow-fiber shifting and mitochondrial biogenesis despite prolonged physical inactivity2015

    • Author(s)
      Mitsunori Miyazaki, Michito Shimozuru and Toshio Tsubota
    • Organizer
      Cell Symposia: Exercise Metabolism
    • Place of Presentation
      NH Grand Hotel Krasnapolsky, Amsterdam
    • Year and Date
      2015-07-12 – 2015-07-14
  • [Presentation] Altered signaling pathway governing protein metabolism in skeletal muscle of the Japanese black bear during hibernation2015

    • Author(s)
      Mitsunori Miyazaki, Michito Shimozuru and Toshio Tsubota
    • Organizer
      Experimental Biology 2015
    • Place of Presentation
      Boston Convention and Exhibition Center, Boston
    • Year and Date
      2015-03-28 – 2015-04-01
  • [Presentation] 癌性カケキシアによる骨格筋トレーナビリティの低下2015

    • Author(s)
      宮崎充功
    • Organizer
      第3回骨格筋生物学研究会
    • Place of Presentation
      東北大学、仙台市
    • Year and Date
      2015-03-06 – 2015-03-08
  • [Presentation] 骨格筋量を保持するための新奇ストラテジー探索2014

    • Author(s)
      宮崎充功
    • Organizer
      第69回日本体力医学会大会
    • Place of Presentation
      長崎大学、長崎
    • Year and Date
      2014-09-18 – 2014-09-20
    • Invited

URL: 

Published: 2016-05-27  

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