2014 Fiscal Year Research-status Report
オートファジーによる脂肪滴形成・分解に対する運動効果の解明
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26560407
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Research Institution | University of Marketing and Distribution Sciences |
Principal Investigator |
北村 裕美 流通科学大学, サービス産業学部, 講師 (00360090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢野 博己 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (20248272)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | LC3 / atg5 / 脂肪滴 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,脂肪滴形成・分化にオートファジー(自喰作用)が関与することが示唆されている。肥満症に伴う過剰な脂質は生体に悪影響を及ぼすことから,積極的なオートファジーによる脂肪滴形成・分化には正常細胞を保護する生理的意義があるものと考えられる。しかしながら,肥満症予防・改善に有効な運動の直接的な影響は全く不明である。本年度我々は、肥満を呈する遺伝子欠損マウスを用いて,オートファジーによる細胞内脂肪滴形成・分解とそのメカニズムに対する自発運動の影響を検討することとした。実験動物には,4週齢雄性のC57BL/6マウスとtoll-like receptor(TLR)5欠損マウスを用い,それぞれコントロール群と自発運動群に分けた。自発運動群のマウスには20週間の回転ケージによる自発運動トレーニングを行わせた。肝臓組織中脂肪滴はhematoxylin-eosin(HE)染色により評価し,オートファジーおよび肥満関連因子の組織中mRNA発現やタンパク質発現はリアルタイムRT-PCR法およびウエスタンブロット法により評価した。TLR5欠損マウスは明らかな肥満を呈したが,自発運動により副睾丸周囲脂肪量や肝組織中脂肪滴の顕著な減少が観察された。オートファジーおよび肥満関連因子における自発運動の影響は認められたが,肥満の影響は観察されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度予定していた実験計画に従って実験を進め,オートファジー関連分子であるLC3やatg5,atg7 について,20週間の自発運動トレーニングが肝組織中LC3,atg5,atg7mRNA発現,脂肪組織中LC3を減弱するが,脂肪組織中atg5,atg7は増強することを確認した。一方,TLR5欠損マウスにおけるオートファジーによる脂肪滴形成・分解の分子メカニズムについては十分な成果が得られていないことから,オートファジーや肥満関連分子の再探索が必要と思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
TLR5欠損マウスにおけるオートファジーによる脂肪滴形成・分解の分子メカニズムについては,未検討な関連分子を解析する。予定している研究計画に従って、TLR5欠損マウスの腸内フローラのメタゲノム解析を行い,オートファジーに対する自発運動の影響や腸内フローラ変化の関連について明らかにする。初年度の研究成果を国際学会等で発表し、研究課題の問題点を検証し,仮説の修正、研究計画の見直しなども合わせて実施する。
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Causes of Carryover |
物品費とその他については,サンプル数の変更および試薬等のキャンペーン価格での購入により想定よりも支出が抑えられた。 旅費については,学外研究設備を使用して研究を進めるために必要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
オートファジーおよび肥満関連因子の組織中mRNA発現やタンパク質発現をリアルタイムRT-PCR法およびウエスタンブロット法により解析する。また腸内細菌の16SrRN遺伝子のメタゲノム解析により,腸内フローラを解析する。
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Research Products
(2 results)