2014 Fiscal Year Research-status Report
アレッポの戦災状況調査と戦災復興都市計画原案の策定
Project/Area Number |
26570003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松原 康介 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00548084)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 中東都市多層ベースマップシステム / アレッポ / シリア / ベイルート / 戦災復興都市計画 / 国際協力 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究の目的 2011年に始まったシリアの民主化運動は、党派・宗派争いを背景とする内戦へと発展し、今日でも解決の見通しが立っていない。とりわけ、都市部における戦災は深刻といわれる。本研究は、戦災の激しいシリア第二の都市、アレッポを対象に、将来の戦災復興都市計画の実行を見据えた、市街地の戦災状況調査を実施する。
2.26年度の研究実施計画 開始早々にアレッポよりの1~2名の招聘研修(2週間程度)を行う。情報に関する毎月の定例会議をスカイプにより行う。日本側はまずハマーの事例分析に着手し、情報登録の進捗に応じて建物別戦災状況のリスト化を開始する。次いでベイルート・アメリカン大学のロベール・サリバ教授、市役所や企業の復興事業の担当者へヒアリングを行う。
3.26年度の研究実績の概要 アレッポよりの研修生として、26年10月よりアレッポ大学学術交流日本センターの出身学生でありアッラーム・アルカゼイ君を本学システム情報工学研究科の研究生として迎えた。アッラーム君は27年4月より大学院修士課程1年に進学した。以後継続的に、アッラーム君に対し、中東都市多層ベースマップシステムの研修を実施し、さらにアレッポ側のカウンターパートとSkype会議を通じて研修及び情報交換を行った。そうしたSkype会議の一部は新聞でも報じて頂いた。こうして、ベースマップシステムを通じた戦災情報収集の体制を構築した。また、80年代におけるハマー破壊の事例を歴史的に分析し、当時の都市破壊とその後の復興の概要について把握し情報をリスト化に着手した。これにより現在の都市破壊に対する先行事例研究の体制を整えた。26年9月にベイルートで現地調査を実施し、サリバ教授の指導に基づき復興事業に関する情報収集を行った。ベイルートもまた先行事例研究と位置づけられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標であった、アレッポ大学からの研修生の受け入れを、日本政府給費奨学生として理想的な形で受け入れた。これにより教育と研究を連携させながら、本研究のためのシステム利用体制を整えた。また、ハマー及びベイルートの先行事例研究に着手した。
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Strategy for Future Research Activity |
ベースマップシステムの更なる活用による、アレッポ大学のカウンターパートとの連携による情報収集と、ハマー及びベイルートの先行事例研究の、二本柱による研究を引き続き推進する。
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Research Products
(4 results)