2016 Fiscal Year Annual Research Report
A survey on the damage situation of Aleppo and elaboration of a blue print for urban reconstruction planning
Project/Area Number |
26570003
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
松原 康介 筑波大学, システム情報系, 准教授 (00548084)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | アレッポ / 戦災復興 / 都市計画 / 国際協力 / シリア人 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.研究の目的 本研究は、シリアのアレッポを対象に、将来の戦災復興都市計画の実行を見据えた市街地の戦災状況調査を実施し、大型の国際協力への接続を目指す。
2.H28年度の研究実施計画 これまでの成果から、「アレッポ戦災復興都市計画」をとりまとめる。内戦の収束を想定し、JICA関係者やCP候補との打ち合わせを行う。JICAプロジェクトやSATREP等へ、挑戦的萌芽研究として裏付けられた案件の申請を行う。
3.H28年度の研究実績 筆者の指導下にあるアレッポ大学日本センター出身のアッラーム・アルカゼイ氏、当該JICAプロジェクトのCP(ダマスカス郊外県庁)出身のマイスーン・サワン氏を中心に調査を進めた。アルカゼイ氏はベイルートの戦災復興をテーマに修士論文を発表し、旧市街の空洞化現象に関する調査から、旧市街の商店で扱われる商品が高すぎること、シリア内戦が治安悪化に影響していること、住民が自らの居住地から出ないことを明らかにした。サワン氏は、1982年のハマー旧市街破壊に着目し、現状と復興史を整理し、修士論文計画を確定した。筆者は両者の研究を指導・統括する一方、個人研究として、論文「The genealogy of Haussmannization in Aleppo」を連携先のAA研「中東都市社会における人間移動と多民族・多宗派の共存(第2期)」に発表し(編集中)、「歴史都市アレッポにおける1973年の旧市街空間整備計画を都市計画学会の論文に投稿中とした。また、シリア人との連携体制作りでは、筆者も参画してきたシリア難民向けJICA奨学金制度が発足した(伊勢志摩サミットで発表)。2016年12月にはアレッポ停戦が実現したが、こうした体制作りこそ今後の復興協力のための大型案件の基礎となろう。これらの研究成果、及び体制を踏まえて、「アレッポ戦災復興都市計画」を現在鋭意策定中である。
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Research Products
(16 results)