2014 Fiscal Year Research-status Report
身体フェミニズム理論の構築ーー性暴力批判と女性の具体的なエンパワメントに向けて
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26570021
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
岡野 八代 同志社大学, グローバル・スタディーズ研究科, 教授 (70319482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 久美子 同志社大学, アメリカ研究所, 助教 (00609571)
合場 敬子 明治学院大学, 国際学部, 教授 (50298056)
影山 葉子 静岡県立大学短期大学部, その他部局等, 助教 (50566065)
内藤 葉子 同志社大学, 研究開発推進機構, 研究員 (70440998)
石井 香江 同志社大学, グローバル地域文化学部, 准教授 (70457901)
牟田 和恵 大阪大学, 人間科学研究科, 教授 (80201804)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ケアの倫理 / 女性 / 身体 / 暴力 / 平和 |
Outline of Annual Research Achievements |
初年度である2014年度は、①文献研究、②理論研究、③実証研究における役割分担と、三者の相互連関の確立した。しかし、研究遂行途上において、各研究者のあいだで、本研究課題が批判の対象としているリベラリズムにおける個人主義の理解がいまだ共有されていないことが判明した。そのため、研究代表者と研究協力者が翻訳したI.M.ヤング『正義への責任』(岩波書店、2014年)の書評会、法哲学におけるリベラリズム理解、個人主義理解のための研究会を開催し、次年度への研究体制を整えた。 ①については、グロスツ以外日本ではほとんど紹介されていない、「オーストラリア学派」と呼ばれるフェミニスト哲学者たちの身体論を中心に、文献・情報収集に努めた。(ex.C.Barbara(ed.), Australian Feminism: A Companion)。資料・情報収集は、欧米の女性運動の歴史にそって進められた。 ②については、当初、看護現場からのケアの倫理の実践実態の報告を予定していたが、来年度に延期し、むしろI) セクシュアル・ハラスメントや強姦、DV被害、戦時性暴力など、性暴力の被害の現場を通じて、とりわけ司法においてどのような取扱いを被害者が受けてきたのか、司法、正義の世界における身体蔑視が存在するか否かの検討、 II) 女性と平和主義についてのこれまでの論争をレビューし、女性兵士問題に代表される物理的暴力と女性との関係性についての検討を各分担者が行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各分担者の研究が多岐にわたるために、まず本研究において批判の対象となる、北米リベラリズムにおける個人主義理解のための研究会を開催したために、実際の身体的フェミニズム、とりわけ実践研究における共同研究が予定より遅れた。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、とくに看護をめぐるケア実践、スポーツや女性の身体訓練におけるジェンダー規範をめぐる実践研究に力を注ぐ。また、今年度遂行した文献研究を基礎にして、報告会を実施しながら、身体フェミニズムの相互理解に集中する。
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Causes of Carryover |
研究分担者の配分分が使用しきれなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
少額であるため、次年度執行、とくに物品費として使用する。
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Research Products
(10 results)