2014 Fiscal Year Research-status Report
「思考の順序」と「言語の語順」との関係を解明する新たな研究手法の開発
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26580069
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小泉 政利 東北大学, 文学研究科, 准教授 (10275597)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心理言語学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ジェスチャーと視線計測を組み合わせることによって生じる問題の解決にむけて、実験参加者の負担の少ないタイプの視線計測装置(Tobii TX300アイトラッカー)を用いて、日本語母語話者を対象に、以下のような研究を行った。 (1)先行研究の再調査:思考の順序、言語の語順、視線計測、などに関する先行研究を再調査して、最新の研究成果を把握した。 (2)実験参加者への教示方法の探索:Tobii TX300のように実験参加者の負担が少ないタイプの視線計測装置は、通常、机の上に置き、実験参加者がその前に座る、とい う配置で使用する。この配置で参加者に何も制約なしにジェスチャーで出来事を表現させると、ジェスチャー中に手や腕が目(顔)と視線計測装置の間に入り、視線の計測が妨げられて、信頼できるデータが得られない。この問題を回避するための考え得る方法の一つは、実験参加者に教示を与えて、ジェスチャーの際の手・腕の動きを制限する(例えば、あまり高く上げない)ことである。しかし、制限があまりきついと、ジェスチャーが不自然になり、思考の(表現)順序に影響を与えてしまう可能性がある。そこで、思考の順序に影響を与えず、かつ視線計測を妨げない、「最適な手・腕の動きの制約」を調査した。 (3)データ解析方法の改善:手・腕の介在によって一時的に視線のデータがとれない区間があっても信頼性の高い結果を出せるような新しいデータ解析方法の可能性を探った。 以上の成果の一部を,韓国認知生物心理学会第53回大会で発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ジェスチャーと視線計測を組み合わせることによって生じる問題のかなりの部分が教示方法の工夫によって解決・改善できる見通しがたったため。
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Strategy for Future Research Activity |
26年度に日本語母語話者を対象にして開発した方法が,カクチケル語話者にも有効であるかどうかを検証する。
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Causes of Carryover |
海外から研究者を招へいして情報提供を受ける予定であったが,先方の都合で延期になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度に招へいを行い,予算を執行する。
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