2014 Fiscal Year Research-status Report
自治体による医療通訳者養成と活用:<あいち医療通訳システム>検証と全国モデル構築
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26580120
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Research Institution | Nagoya University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
浅野 輝子 名古屋外国語大学, 現代国際学部, 教授 (90387861)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
服部 しのぶ 藤田保健衛生大学, 医療衛生学部, 准教授 (40321012)
村井 はるか 藤田保健衛生大学, 医療衛生学部, 准教授 (90647893)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 医療通訳 / あいち医療通訳システム / フォローアップ研修 |
Outline of Annual Research Achievements |
あいち医療通訳システム認定者の内、派遣実績のある人(5言語)にアンケート調査を実施し、45名分の回答を得た。この調査は3年間の振り返りとして行われたが、そこから見えてきたものは回答者の多くが日進月歩の医療知識、また最新の知識を学びたい、同時に通訳技術のスキルアップを目指したいと考えていることがわかり、現在、県主催の年1回実施しているフォローアップ研修をいかに充実させていくかが今後の課題であることが分かった。 英語医療通訳者として認定された一部の人(10名前後)を対象として、上記の目的に合った研修会を4回実施した。ここでの内容は非常にレベルも高く、愛知県が主催する今後のフォローアップ研修に活かせる内容だと思われる。 国内調査については、研究分担者が外国人患者の支援サービスをしている病院2か所を訪問し、担当者へのヒアリングを実施した。その結果、医療通訳者の質の担保と、訴訟に対する対応の整備の必要性が示唆された。 以上のような国内調査研究に加え、海外(オーストラリア)に於いて医療関係者10名にインタビューを行った。大学での通訳翻訳コースの現状やシドニー周辺の病院での医療通訳システムについての情報(医療通訳者の資格・その更新について)を得ることが出来た。 最後に、ベルリンに於いて開催されたthe XXth FIT World Congress, Berlin 2014(国際翻訳者連盟)にて、あいち医療通訳システムの構築過程について研究発表を行い、発表内容は論文のかたちで発行された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
初年度予定していたインターネットなどを利用した量的調査、内外の関係者に対する反構造化インタビューを実施し、さらにインターネットでのアンケート調査に関しては、今年度目標としていたアンケートの作成に留まらず、次年度予定していたウェブアンケートの実施も今年度中に行うことが出来た。また、次年度行う予定であった国際学会での研究発表もベルリンで開催されたFIT World Congressに於いて行うことが出来た。認定医療通訳者らとの研修会は予定どおり実施した。ただ、医療と人権に関する文献調査に課題が残った。上記のとおり、当初の計画以上に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
アンケートを分析しながらインタビューを継続して実施する。 研修会を定期的に実施し、愛知県が行おうとしている今後のあいち医療通訳システムフォローアップ研修に向けての提言の方向性を検討する。 国内外の実務者、医療関係者、自治体担当者、研究者などとの意見交換を活発に行う。 今年度末までに患者ならびに医療機関に対するアンケートを実施し、中間的成果を発信する。
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Causes of Carryover |
予定していた消耗品、備品等は研究施設のものを使用し、補充することなく研究を遂行することができたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本年度、不十分であった文献研究に使用する。
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Research Products
(2 results)