2015 Fiscal Year Research-status Report
企業・労働者マッチング・パネルデータを用いた賃金・生産性ギャップの分析
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26590048
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Research Institution | Research Institute of Economy, Trade and Industry |
Principal Investigator |
小滝 一彦 独立行政法人経済産業研究所, 研究グループ, コンサルティングフェロー (60314431)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 労働経済学 / 賃金と生産性の比較 / ミンサー型賃金関数 |
Outline of Annual Research Achievements |
人的資本と賃金の差異については、これまで、賃金や人的資本を表す関数型が半対数型であるために、企業単位で集計すると、無数の非線形項が生じて、有効な計量分析が行えないという問題があり、労働経済学の発展の障害となってきていた。これに対し、本研究では、半対数型の賃金関数を、標準的な生産関数に導入することで、人的資本関数と生産関数を容易に一体化させる画期的な処理をめざすものである。 Hellerstein et al. (1999), Crepon et al. (2002), Ilmakunnas et al. (2004)らは、労働者グループ間の相対生産性を計測したが、依然として賃金と生産性のギャップは測定不能であった。 27年度は、賃金と生産性のミンサー関数を企業の生産関数に代入して、賃金と生産性のギャップを計測する実証モデルを構築した。その特徴は以下の3点である。①賃金と生産性、そして両者のギャップの3者を、勤続、経験、学歴等の変数によってミンサー型の関数として計測できる。②この3つの関数すべてで切片項(定数項)が識別できるため、賃金・年功カーブと生産性・年功カーブを同一座標に位置づけ、どこで交差するのかを確認できる。③実証モデルは、すべて線形の関数型であるため標準的な計量経済手法が適用でき、特に、企業固定効果と、産業ごとのビジネスサイクルをコントロールできる。 この実証モデルは、企業*労働者パネルデータに適用することで、賃金と生産性のギャップをミンサー型の関数の係数として測定することが可能である。27年度は、更に、この実証モデルを用いたデータ分析のための具体的設計を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実証モデルの検証と、企業・労働者マッチングデータを用いた実証分析の設計をほぼ終えた。
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Strategy for Future Research Activity |
賃金および企業活動の統計データの使用申請を行い、実証モデルの有効性を検証する。
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Causes of Carryover |
27年度に実証モデルの検証を先行させ、研究費使用予定額の主要部分であるマイクロデータ構築の作業を28年度にしたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度において、マイクロデータの構築でリサーチアシスタントの使用を予定している。
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