2014 Fiscal Year Research-status Report
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26590060
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
林 徹 長崎大学, 経済学部, 教授 (20257744)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 潜在的起業者 / 萌芽的起業者 / 社会的評価 / 心理的支援 / 愛情 / 強い紐帯 |
Outline of Annual Research Achievements |
第1に、潜在的な起業者に対する「社会的評価」に関する先行研究は存在しないため、参考となる異分野の文献を参照しながら、オリジナルな調査票(構造化された質問票)を作成した。その内容は、起業前の段階における情況を回想して答えてもらう形式のものである。第2に、インターネット調査会社への業務委託により、創業後または独立後2年以上、かつ現役の創業者(経営者)を対象として(スクリーニング)質問票調査を実施した。この調査は2014年9月5-6日においてインターネット調査会社「株式会社マクロミル」を通じて全国1,030人からの回答を得た。 第3に、面接調査可能(質問票でチェック)な起業者のなかから、面接調査の候補者を選定した。候補先へ順次打診して、スケジュールを組み、のべ6人との面接調査を実施した(名古屋市で4人、新宿区で2人)。他方で、個人的な人脈を通じて、これら6人とは別に、2人の創業者の面接調査を実現することができた(長崎市で1人、三重県菰野町で1人)。第4に、インターネットによる質問票調査、ならびに計8人との非構造的な面接調査の分析と考察をかんたんにとりまとめた。 第5に、調査結果とその分析を中心に、2015年3月29日、組織学会九州支部例会において報告した。第6に、例会での報告をふまえて、さらに考察を加えた内容を、企業家研究フォーラム全国大会(2015年7月18-19日)と組織学会研究発表大会(2015年6月20-21日)において、それぞれ自由論題として報告する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
インターネット調査の集計結果の分析、ならびに面接の実施については、平成27年度に実施する予定であったが、両方とも平成26年度のうちに終了したから。
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Strategy for Future Research Activity |
まず、調査結果にもとづいて、(1)本研究の背景と予想、(2)分析の結果、(3)面接調査をふまえて修正を施された仮説、これらをさらに整理して、学術雑誌へ投稿する。 これと並行して、研究成果の内容を、学会報告における質疑応答をふまえて、これに対する助言や批判(フィードバック)を参考にして、将来の研究の方向性を展望(修正ないし確認)し、後の基盤研究等への橋渡しとする。 具体的には、支援と愛情を与えた(とされる)側に対して、どのような言動を、どのような意図でしたのかを調査し、整理し、体系化することがこの萌芽的研究をふまえた、今後の研究課題である。
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Causes of Carryover |
18,498円の差額は、そのほとんどが、調査会社の調査前段階における見積額と、実際の請求額との誤差である。その他は、おおむね計画通りである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
総残額318,498円は、主に学会報告のための旅費(全国大会)、必要に応じての追加調査、文献等に充てる。
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Research Products
(1 results)