2015 Fiscal Year Research-status Report
自閉症スペクトラム障害をもつ青年および児童に対する日常生活スキル支援の研究
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26590145
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米田 英嗣 京都大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (50711595)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鳥居 深雪 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 教授 (90449976)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日常生活スキル / 自閉症 / ソーシャルスキル / 介入 / 小説 / 物語 / 国語教育 / 心の理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
小説の読解力には、記憶力、想像力、裏の意味を探る力が必要であり(田村, 1986)、小説読解の方略を学習することで、他者の意図理解や心情理解の能力が向上する可能性がある。本研究では、自閉スペクトラム症 (ASD)の傾向の高い大学生とASDの傾向の低い大学生を対象として、小説を用いた短期間集中の介入を行うことで、心の理論課題と日常生活スキルの向上を目的としたトレーニング法を開発する。 社会的な意義として、第一に、心の理論や心情理解といった社会生活を送る上で重要な能力を、小説の読解を用いて改善をさせることを試みる点に意義がある。小説の理解が、言語的および非言語的な心の理論の改善にいかに作用するかを明らかにする研究は、基礎研究として価値の高いものである。第二に、小説理解方略のメカニズムを解明することができれば、物語を用いたソーシャルスキル支援のトレーニングを考案することができる。第三に、応用の方向として、ASD者、定型発達者の道徳性の理解、特別支援教育に重要な知見を提供できる。さらに、新たな国語教育方法を提案できる可能性も考えられる。以上のように、本研究課題で得られた成果は教育実践、読解プログラムやソーシャルスキルトレーニングの開発に広く応用可能であり、社会的意義は大きいと考えられる。 現在プログラムの全体像が完成し、予備調査、本調査へと進む予定である。プログラムを作成するに当たり、自閉スペクトラム症の児童、成人を対象とした基礎的な研究を行い、国際学術雑誌2本を出版し、関連する著書も3冊出版した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定よりもプログラムの作成は時間がかかっているが、国内外の共同研究者とのディスカッションにより、現在実施されている自閉症支援プログラムの優れた点を取り入れ、問題点を改善したプログラムの開発が可能になった。さらに、自閉スペクトラム症の児童、成人を対象とした基礎的な研究を行ってきたことで、最新の科学的根拠を踏まえたプログラムの完成が近づいている。研究機関における倫理審査も通過したので、予備調査、本調査が実施できる状況にあることから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
予備調査、本調査を進める。予測を支持する結果が得られたら、論文として発表する。平行して、「日常生活スキル支援プログラム」国際版の開発に取り掛かる。 予測を支持しない結果が得られない場合、たとえば、プログラムの有効性が実証されない場合は、プログラムの修正版を開発し、一般大学生で有効性を確認した後で、自閉スペクトラム症の方々に対して実施を行う。
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Causes of Carryover |
本年度は、日常生活スキル向上プログラムの開発を主に行っていたため、使用予定であった人件費・謝金を使用しなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に、現在い開発を進めている日常生活スキル向上プログラムの評価を行う際に、研究保持者に対する人件費と実験参加者に対する謝金を支払うことによって、使用する予定である。
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Research Products
(12 results)
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[Journal Article] Autistic empathy toward autistic others2015
Author(s)
Komeda, H, *Kosaka, H., Saito, D. N., Mano, Y., Fujii, T., Yanaka, H., Munesue, T., Ishitobi, M., Sato M, & Okazawa H.
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Journal Title
Social Cognitive and Affective Neuroscience
Volume: 10
Pages: 145-152
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Moral judgments by children with autism spectrum disorders in early adolescence2015
Author(s)
Komeda, H., Osanai, H., Yanaoka, K., Koyasu, M., & Kusumi, T.
Organizer
British Psychological Society Developmental and Social Section Psychology Annual Conference
Place of Presentation
Manchester, UK
Year and Date
2015-09-10 – 2015-09-11
Int'l Joint Research
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[Book] 新曜社2015
Author(s)
榊原洋一・米田英嗣
Total Pages
317
Publisher
発達科学ハンドブック8巻 「脳の発達科学」