2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
26610092
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
一杉 太郎 東北大学, 原子分子材料科学高等研究機構, 准教授 (90372416)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 超伝導 / 透明導電体 / 透明超伝導体 / 走査トンネル顕微鏡 / 光学特性 |
Outline of Annual Research Achievements |
超伝導体は金属光沢か黒色を呈する、というのが常識である。BCS型の超伝導体では、高い超伝導転移温度を示す物質はキャリア濃度が高く、プラズマ周波数が可視光領域に存在し、可視光の透明性が失われるとされている。しかし、LiTi2O4薄膜は13Kを越える超伝導転移温度を有しながら、可視光透明性を示すことが明らかになった。この物性を活用することにより、光エレクトロニクスと超伝導現象を組み合わせたデバイスの構築が期待される。
本研究では、この超伝導メカニズムを探るため、赤外領域の光学測定を行った。その結果、電子の有効質量が大きいことにより、プラズマ周波数が赤外領域に存在することが明らかになった。 さらに、走査トンネル顕微鏡を用いたLiTi2O4エピタキシャル薄膜の原子像観察を試みた。その結果、アニール条件を調整することにより非常に平坦な表面が現れることがわかり、その表面において、明瞭な三角格子状の輝点を観察した。第一原理計算結果を考慮し、この輝点はTiに由来すると結論した。今後さらに詳細な電子状態計測を行い、大きな有効質量と超伝導の関係を調べる予定である。
|