2014 Fiscal Year Research-status Report
次世代局所U-Pb年代分析法の確立を目指した「ポストイオン化法」の基礎開発
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26610183
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
寺田 健太郎 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (20263668)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 盛男 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (30294151)
中村 亮介 大阪大学, 学内共同利用施設等, 講師 (70379147)
豊田 岐聡 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (80283828)
青木 順 大阪大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (90452424)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 局所分析 / 同位体 / 隕石 / SIMS |
Outline of Annual Research Achievements |
地球惑星科学において、隕石・岩石・化石の微小領域のU-Pb年代分析は、太陽系史/地球史/生命史を解読する強力なアプローチであり、これまで市販のイオンプローブ(SIMS)による年代分析が盛んに行われてきた。一般にSIMSは、1次イオンによりスパッターされた2次イオン(U+, Pb+など)を質量分離する原理であるが、スパッターされた原子のわずか1%以下しかイオン化しないため、計測する原子数のロスが大きいことが問題点であった。 本研究では、イオン化し損ねた原子を高出力フェムト秒レーザーで「ポストイオン化」する手法の確立を目指している。フェムト秒レーザーの照射位置を最適化することで2次イオン増加率(=レーザー照射時÷レーザー無し)が2000倍に、さらにビーム系を絞りビーム密度をあげることで、20000倍に向上させることに成功した。現在、1~2μm系のイオンビームを用い、感度0.1wt%の局所分析を達成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請時(2013年秋)の時点では、フェムト秒レーザーによる2次イオンのポストイオン化増加率(=レーザー照射時÷レーザー無し)は700倍であったが、本研究により2015年3月末の時点で20000倍に向上させることに成功した。現在、1~2μm系のイオンビームを用い、感度0.1wt%の局所分析を達成しており、始原的隕石から単離したプレソーラー粒子のSiC同位体比の異常を検出することにも成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
2015年3月末の時点で、検出限界0.1wt%を達成したが、隕石中のウランや鉛などの微量元素を分析するには、感度をあと1000-10000倍あげる必要がある。現在は、MCPに到達した2次イオンを電流値として読み出す信号処理になっているがS/Nが非常に悪い。今年度は、イオンを個別にカウントする信号処理システムを構築し、S/N比あげることで更なる感度向上を目指す。
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Research Products
(5 results)