2014 Fiscal Year Research-status Report
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26620143
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
榧木 啓人 東京工業大学, 理工学研究科, 助教 (20572704)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亘理 龍 一般財団法人電力中央研究所, 環境化学研究所, 研究員 (00638009)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 二酸化炭素固定 / 分子触媒 / 水素化反応 / ギ酸エステル / ギ酸アミド / メタノール / 協奏機能触媒 / グリーンケミストリー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、均一系触媒によるメタノール合成を実現するために、その要素反応として(1)二酸化炭素の水素化反応によるギ酸誘導体合成と、(2)ギ酸エステルやギ酸アミドの水素化反応によるメタノール合成に焦点を当て、高効率分子触媒の開発に取り組んでいる。特に、エステル化に伴う脱水縮合の促進と極性官能基の活性化に有効な金属/配位子間の協働効果(cooperative effect)をもたらすアミン/アミド配位子を持つ遷移金属錯体の触媒機能を追究し、循環型社会に資する還元分子触媒設計に必要な学術基盤の確立をめざしている。 本年度は、二酸化炭素の水素化反応触媒として従来不活性とされてきた銅化合物が、強塩基性のDiazabicyclo[5.4.0]undec-7-ene (DBU)存在下で触媒機能を発現することを新たに見いだした。さらにDBUが配位した銅(I)錯体の合成、構造解析に成功し、分子性触媒種が反応に関与していることを実証した。 一方、ギ酸エステルやギ酸アミドの水素化分解によるメタノール合成には、協奏機能ルテニウム触媒が有効であることを明らかにした。また、本研究に先立って開発した、一級アミン側鎖をもつN-ヘテロ環カルベン―ルテニウム錯体の触媒機能をさらに上回る高活性触媒の開発を目指して、ルテニウム錯体の構造修飾を施した錯体を合成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
二酸化炭素からギ酸誘導体への変換過程への銅化合物の適用は、事実上、初めての例であり、Advanced Synthesis and Catalysis誌に投稿し、速報(communication)として掲載許可された。安価かつ入手容易な、ルテニウムやイリジウムなどの既存の貴金属錯体の活性には及ばないものの、実用の観点から重要な成果として、論文審査過程で審査員および編集者に高く評価され、Very Important Publication (VIP)として選定されるとともに、Cover Pictureにも採用された。また、論文投稿に先行して、国内特許出願済である。 カルボン酸誘導体の加水素分解反応については、International Conference on Organometallic Chemistry (ICOMC 2014)において国際会議発表した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究成果をもとに、二酸化炭素からリレー式にメタノールへ水素化還元を進める均一系分子触媒プロセスへと展開する。ギ酸エステル合成触媒とメタノール合成触媒を共存させたワンポット連続反応を試みるとともに、ギ酸アミドを経由する多段階反応も実施する。 ギ酸エステルの合成は脱水縮合を伴うため、副生する水によるエステルの加水分解が競合し、触媒効率を低下させる可能性がある。ギ酸アミドを経由するプロセスは、その点で優位性がある。 さらに、ギ酸誘導体とメタノールとの分離を容易にする反応システムとして、アルコール・アミン高分子を反応場とする逐次的メタノール合成も検討する。
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Causes of Carryover |
昨年度、学会出張予定を一部取りやめたことによって、次年度使用分が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
試薬器具類等の消耗品未購入分について、本年度の研究費と合算して使用する計画である。
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Research Products
(19 results)