2014 Fiscal Year Research-status Report
衝撃圧力が血液脳関門のバリア機能破綻に及ばす影響の評価
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26630101
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
青村 茂 首都大学東京, システムデザイン研究科, 教授 (20281248)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中楯 浩康 首都大学東京, システムデザイン学部, 助教 (10514987)
角田 陽 東京工業高等専門学校, 機械工学科, 准教授 (60224359)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 毛細血管 / 衝撃圧力 / 組織崩壊 / 脳内点状出血 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では頭部外傷時に頭蓋内に発生する衝撃圧と、血液脳関門(BBB)を構成する血管内皮細胞の血管内皮機能の透過性変化の関係を明らかにした。BBBを模して作成されたin vitlo BBBモデルに衝撃圧力を負荷し、血管内皮細胞機能を経内皮電気抵抗を用いて評価した。モデルはラット脳内皮単層モデル、内皮とアストロサイトおよびペリサイトとのモデル、内皮とアストロサイト、内皮とペリサイトを共培養した4種類を用いた。
水で満たしたシリンダーをピストンで圧縮することによりシリンダーに接続されたチャンバー内の細胞に最大350[kPa]、持続時間20[ms]の衝撃圧力を負荷した。内皮細胞のみの静地培養においては類似研究と同程度の150Ω・cm2以上のTEER値を得た。また衝撃圧力を負荷後の内皮のみのモデルのTEER値は減少し、細胞間の接着が弱まったことを確認した。 それぞれのモデルにおける圧力負荷前とのTEER値の比較では、内皮のみのモデルでは15%、共培養モデルでは内皮とアストロサイトおよびペリサイトモデルでは45%、内皮とペリサイトでは9%、内皮とアストロサイトと共培養したものでは40%の減少を示した。さらに負荷直後に、内皮細胞間結合であるタイトジャンクションを構成するclaudin-5およびZO-1の各タンパク質に免疫染色を行いshamと比較した結果、内皮のみおよび内皮とアストロサイトの共培養モデルにおいて発現の変化が見られたが、内皮とペリサイトの共培養モデルにおいては発現の変化は見られなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究については概ね順調に遂行されており,一定の成果も得られている.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度はさらに詳細の実験を行うために、衝撃圧を負荷されたin vitlo BBBモデルの電気抵抗の計測に加え、微量物質の透過観察も行ってアストロサイトおよびペリサイトのそれぞれの果たしている役割の究明を行う。
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Causes of Carryover |
in vitlo BBBモデルの作成のための内皮細胞、ペリサイトおよびアストロサイトを組み合わせた試料の作成には予想以上の経費が必要なことが判明し、次年度の本格的な実験のために、今年度の試験的な試料の使用量を控えたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
さらに詳細なin vitlo BBBモデルに対する評価実験を行うためにより多くのモデルを作成し、負圧も含めたより範囲の広い圧力パラメータに対する評価を行う。
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Research Products
(4 results)