2015 Fiscal Year Research-status Report
微生物触媒法による長期沈下発生粘性土地盤の骨格構造の高位化の試み
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26630222
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Research Institution | Takenaka Corporation, Takenaka Research and Development Institute |
Principal Investigator |
金田 一広 株式会社竹中工務店 技術研究所, その他部局等, 研究員 (30314040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
畠 俊郎 富山県立大学, 工学部, 准教授 (30435424)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 微生物 / ウレアーゼ / 粘性土 / 遅れ沈下 / 強度増加 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は自然堆積粘性土地盤の補強・補修に関するものである。 自然堆積粘土地盤上に建設された盛土構造物の長期沈下(遅れ沈下)への対策費用は莫大であり、現在大きな問題点である。遅れ沈下は先行圧密応力を超えた荷重載荷に対する骨格構造の劣化を伴った軟化が原因である1)。従来、軽量盛土にするオーバーレイによる補修・ドレーン設置による圧密促進などの対策が実施されているが、効果不十分である。 本研究の目的は、粘性土地盤内に現地から採取した微生物の培養液および尿素、カルシウムを投入することにより炭酸カルシウムを析出させ粘性土地盤の骨格構造を復活・強化し遅れ沈下を抑止することである。研究は3年間で計画は以下の4つを予定している。 ①微生物固化液と粘土の固化の影響についての室内実験の実施、②施工可能性の検討、③生物注入方法の検討、④数値解析による対策工法の検討 昨年は①を中心に検討している。本年は①の検討を継続しつつ③について検討を行った。透水性をよくするためにカオリン粘土とDLクレイを混ぜた供試体を作成し、3Dプリンターで作成した通水装置を用いて通水実験を実施した。供試体に固化液とウレアーゼ の独立した2つの通水経路で供試体内で炭酸カルシウムを析出できるように工夫している。4か月かけて供試体内に通水し、その後定ひずみ圧密試験を実施した。水頭差を設けてより多く通水した供試体の方が炭酸カルシウムの析出によって間隙比が小さくなり、強度も10倍ほど大きくなることが確認できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年は粘性土とDLクレイを混ぜ透水性を高めた実験であったが、今度は透水係数が10E-08cm/s程度の粘性土に対して通水できる実験装置の開発を行い、固化実験を実施する。さらに、数値解析によって遅れ沈下の発生がどの程度改善されたかについて検証する。
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Causes of Carryover |
年度の通水実験が予想以上にかかり年度をまたぐこととなった。途中で中断して実験を行うと想定していたデータが得られない可能性があると判断した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
この予算は次年度に実験実施費用として当てたい。 次年度の予算はさらに追加の実験を実施することを予定しており、数値解析および国際会議等で発表することを予定している。
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Research Products
(6 results)