2014 Fiscal Year Research-status Report
建築技術のイノベーション導出過程分析と知的財産マネジメントの提案
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26630271
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
金多 隆 京都大学, 産官学連携本部, 准教授 (10301243)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 建築技術 / 建築生産 / 研究開発 / 産学連携 / 学際領域 / 共同研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
国際的な企業戦略や産学官連携活動においてイノベーション(技術革新)と知的財産の価値は極めて重要視されている。ところが、他分野で開発された材料を採用し、利用する側にある建築生産における知的財産の取り扱いは、他産業と異なる商慣習のために、知的財産権の保護や活用の枠組みがそのまま適用できない。特に建築生産では、設計技術やマネジメント技術などの目に見えないが創造的な知的財産が海外プロジェクトでの国際競争上も重要であるにもかかわらず、これらの評価・保護・譲渡に関する制度的基盤が確立されていない。このことが建築技術のイノベーションに抑制的に働いており、産業としての魅力や活力を低下させ続けている。平成26年度は、京都大学とダイキン工業株式会社との包括連携協定に基づき、同社との対話型討論(ワールドカフェ形式)やワークショップを通じて、具体的な発想抽出を進めた。さらに、少子高齢化社会での健康な空間提供という将来像から研究開発課題を逆算するバックキャスト型の議論を通じて、20年後のわが国の都市・建築に向けた研究開発課題をまとめた。本研究では、議論の直接の成果物である研究開発ロードマップだけでなく、それらの形成過程を記録分析し、イノベーションの導出プロセスを新たに示すことを目的としている。数人の研究者による非公開のワークショップ形式を反復することが、今回の検討過程で有意義であることが確認されている。建築の技術開発は、個別プロジェクトでの必要性に応じて断続的に行われており、受注生産であることから技術開発過程は常にアドホックな対応になりがちであった。この状況に対して、引き続き新たな方法論を示すことを目指していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
業務命令により、平成26年8月より平成26年10月までの約3ヶ月間にわたり、英国ブリストル大学に出張しており、当該期間に日本国内での調査研究活動ができなかったため。なお、この出張は、交付申請書提出時には予期していなかったものである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究実施計画に掲げたもう一つの課題である「建築生産における新たな知的財産マネジメント手法(職能の再定義を含む)の提案」についても取り組んでいきたい。
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Causes of Carryover |
業務命令により、平成26年8月より平成26年10月までの約3ヶ月間にわたり、英国ブリストル大学に出張しており、当該期間に日本国内での調査研究活動ができなかったため。なお、この出張は、交付申請書提出時には予期していなかったものである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究計画を修正するとともに、調査研究を充実させ、予算計画を回復させる。
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Research Products
(6 results)