2014 Fiscal Year Research-status Report
フラットスピンによる固定翼小型UAVの完全自動着陸に関する研究
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26630445
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
東野 伸一郎 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40243901)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長崎 秀司 九州大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (00304741)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | フラットスピン / UAV |
Outline of Annual Research Achievements |
飛行実験により,小型UAVのフラットスピン状態における機体の角速度,降下速度などの計測を行うためのシステムを,マイコンや各種MEMSセンサを用いて開発し,フラットスピンが意図的に実施することが可能な市販の機体によってフラットスピン状態を実現させて飛行実験を実施した.複数の飛行実験により,風洞試験における回転速度や風速等の試験条件の抽出を行った. 風洞実験により,フラットスピンにおける機体の回転を模擬できるよう,胴体に固定した軸周りに自由回転あるいはモータにより一定角速度で回転しつつ,同時に回転中の機体に働く力を6分力天秤によって計測することができるような装置を開発した.モータを使用することによりアナログ計測値にノイズが混入するというトラブルが発生したが,最終的にはこのトラブルを解決し,回転中の6分力および角速度等の計測ができる状態となった.この装置を用いた風洞実験により,フラットスピンにおける回転速度や,落下速度と大きな関係を持つ抵抗係数,舵面操作と,発生する3分力や3モーメントの関係について,回転速度や舵面操作をさまざまに変化させることによって各種条件下での実験を行い,定性的・定量的な知見を得ることができた. 今年度は,風洞試験によって得られた知見により,機体の完全自動着陸に必要な力やモーメントを発生させる操舵方法についてシミュレーションも併用した研究を行い,風洞試験によって確認を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
飛行試験によるフラットスピン状態の把握ができたこと,またフラットスピンの回転を再現できる風洞試験装置が開発できたこと.さらに,飛行試験によるフラットスピン条件を用いて,風洞試験によって回転速度や抵抗係数などに関するいくつかの重要な知見が得られたため.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は,風洞試験によって得られた知見により,機体の完全自動着陸に必要な力やモーメントを発生させる操舵方法についてシミュレーションも併用した研究を行い,風洞試験によって確認を行う.風洞試験によって良好な結果が得られたならば,飛行試験によって確認できるよう,飛行試験の準備を進める.
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Causes of Carryover |
当該技術の特許取得の手続きを進めている途上であり,当面の国際・国内学会発表・論文八表等を控える必要が生じたため,旅費が使用できなかった.特許出願の見込みが得られ,公表しても特許取得に障害がないと判断された時点で学会等で学会発表を行うこととした.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
特許出願の可否が明らかになり,公表しても差し支えないと判断された時点で,おもに国際学会等における学会発表のための旅費として使用する予定である.
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