2014 Fiscal Year Annual Research Report
マウス胚前後軸形成における子宮の役割と加齢による影響
Project/Area Number |
26650080
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高岡 勝吉 大阪大学, 生命機能研究科, 助教 (90551044)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 前後軸 / 子宮 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々ヒトやマウスの胎生動物胚は、母体の中で1個の受精卵から発生を開始し、前後・左右・背腹の3つの体軸をもった個体として産まれてくる。前後軸は、一番早期に形成し、その他の2つの体軸やその後の胎児の発生現象の基となる体軸である。代表者はこれまでに、マウス胚の前後方向は受精後4日の着床期付近の胚DVE(Distal Visceral Endoderm, 遠位臓側内胚葉)と呼ばれる細胞群によって決定していることを明らかにした(Takaoka et al., Dev. Cell 2006, NCB 2011)。また、このDVE細胞は、Nodalシグナルのネガティブフィードバック分泌因子であるLefty1の発現で規定されており、DVE細胞の形成される位置はNodalシグナルの入力位置と量に応じていることを示した。着床期付近である受精後4日に現れるDVEの細胞(緑)は、受精後6日において頭部を誘導する細胞AVE(Anterior Visceral Endoderm, 前側臓側内胚葉を前側へガイドする。 DVE細胞で発現するLefty1はNodalシグナルによって誘導される(Takoaka et al.,Dev. cell 2006)こと、DVEが現れる時期は着床期付近であることから、代表者は、NodalシグナルのリガンドであるNodalの発現を子宮で調べた。結果、Nodalは子宮腺上皮組織で着床期特異的に発現していることが明らかにした。加えて、Lefty1もNodal同様に、子宮腺上皮組織で発現していた。これらのことから、前後軸パターニングを規定する細胞群DVEは、子宮と胚のNodalシグナルが空間的ネットワークとして働くことで、生み出されている可能性が示唆された。
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Research Products
(5 results)