2014 Fiscal Year Research-status Report
腸粘膜バリアを強化するイネ品種のスクリーニング法の開発
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26660002
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Research Institution | Obihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine |
Principal Investigator |
加藤 清明 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (60271748)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
得字 圭彦 帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (90322883)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 米アレルギー / 腸管バリア / ムチン |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究によって米アレルギー症状を緩和するイネ品種「ゆきひかり」は、4週間給餌したラットの腸管バリアとして機能するムチンが、親品種の「キタヒカリ」、「空育99号」、「巴まさり」、姉妹品種の「ともひかり」、さらに子孫品種の「上育462号」の2倍相当となった。当該研究課題では、「ゆきひかり」と親品種ならびに姉妹品種の計5品種の米粉を8週齢のラット(n=6)に給餌して4日後に、大腸を摘出し、トータルRNAを抽出した。各イネ品種給餌区毎にバルク化したcDNAを作成し、DNAマイクロアレイにより、発現解析した。その結果、「ゆきひかり」では他の4品種と比較して、4倍以上発現増強した184遺伝子、1/2以下に発現低下した108遺伝子を特定した。これらの遺伝子の中には、免疫応答と関連する遺伝子も含まれており、新たな作用機序の解明にも期待がかかる。なお、これらの遺伝子の中にはムチンをコードする遺伝子9種は含まれておらず、少なくとも、給餌後4日後には、ムチン遺伝子のmRNA量に「ゆきひかり」は影響しないものと考察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
H26年度の計画していた「ゆきひかり」給餌によって特異的に発現変動するラット遺伝子を特定したから。
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Strategy for Future Research Activity |
定量RT-PCR法により発現量を解析し、DNAマイクロアレイの結果の再現性を確認する。 ヒトの大腸培養細胞に各イネ品種の米粉を処理し、定量RT-PCR法で上記までで選定したラット遺伝子のヒトオーソローグの発現量を解析する。 「ゆきひかり」処理区で特異的に発現変動するヒト遺伝子のプロモーターにルシフェラーゼを融合した合成遺伝子をヒトの大腸培養細胞に遺伝子組換えする。 作成した培養細胞の有効性を検証する。
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Causes of Carryover |
定量RT-PCRでの発現解析を次年度に繰り越したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
定量RT-PCRでの発現解析の実施に使用します。
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