2016 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of peripheral taste system among the different life stages
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26660106
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
成川 真隆 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (50432349)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 味覚 / 加齢 / 食生活 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの本研究において、加齢により味感受性が変化すること、そして、その変化はすべての味質で一様に生じるのではなく、一部の味質のみで生じることを行動レベルで見出した。そこで、本年度はこの感受性の変化が何に起因するのかを明らかにするために、若齢マウスと高齢マウスを用いて、末梢の味検出システムの比較を行った。 まず、基本味刺激(甘味、酸味、塩味、苦味、旨味)に対する味覚神経応答を測定した。両年齢群とも味刺激に対して濃度依存的な神経活動の増加が認められ、高齢マウスでも味刺激に対して神経活動が亢進する事が確認された。それぞれの味質に対する神経応答を比較したところ、高齢マウスの塩味と甘味に対する応答が若齢マウスに比較して顕著に増加していることを見出した。しかし、酸味、苦味、旨味に対する味覚神経応答には若齢と高齢マウス間で差は見られなかった。このように神経レベルでも加齢による影響が観察された。しかし、この結果は行動アッセイの結果と一致はしなかった。 さらに、味蕾において味覚受容体の発現を調査した。塩味、甘味、酸味、苦味、旨味受容体候補分子の発現を調査したが、高齢、若齢群の味蕾においてそれぞれの発現が観察され、両年齢群で味覚受容体分子の発現に顕著な差は認められなかった。したがって、行動レベルで見られた加齢による味感受性の変化は、末梢における味覚受容体の発現が変化したためではない可能性が考えられた。
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Research Products
(2 results)