2014 Fiscal Year Research-status Report
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26660193
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
服部 俊宏 明治大学, 農学部, 講師 (10276165)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
九鬼 康彰 岡山大学, その他の研究科, 准教授 (60303872)
清水 夏樹 京都大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (40442793)
武山 絵美 愛媛大学, 農学部, 准教授 (90363259)
山下 良平 石川県立大学, 公私立大学の部局等, 講師 (40515871)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 臨海農業集落 / 持続可能性 / 生業 / 獣害 / コミュニティ / 類型化 |
Outline of Annual Research Achievements |
生態・社会・産業の各サブモデル構築に必要な,集落存続可能性要因を抽出するためのフィールドワークを中心に研究を実施した。 生態サブモデルについては,愛媛県忽那諸島においてイノシシ対策を中心とした調査から,鳥獣害に対する地域存続要因の抽出を行った。社会サブモデルについては,石川県能登島において,半農半漁村の相互扶助とコミュニティの安定に関する調査を実施した。産業サブモデルについては,岩手県広田半島で地域における漁業の位置づけの相違により農地利用形態にどのような相違が生じるかについて検討すると共に,能登島においては農業と漁業の短期労働力に着目した調査を実施している。 これらの検討の中から,農業と漁業,農家と漁家の間に想定以上の隔たりがあることが明らかになった。具体的には,漁業従事者が陸の仕事をやりたがらない傾向が見られた。このことは,陸における鳥獣害対策など,地域全体として集落存続に必要な活動をおこなう際の障害となっている。また,漁業形態や地域の生業における漁業の比重の相違により農業部門に対する労働力資源配分が左右され,それにより集落営農の形態に相違が生じている。一方で,このような関係は個人単位で固定化しているわけではなく,加齢と共に海から陸の仕事に移行するなどの例も見られる。 フィールドワークにより,臨海農業集落の共通性と共に,個別性の大きさも改めて明らかになった。このことから,全体システム構築においては,臨海農業集落を類型化することにより存続基盤を明確化することの必要性も確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
事例フィールドとしての紀伊半島を他の地区に変更するとしたため,その部分のフィールドワークは来年度以降となったが,それ以外の広田半島,能登島,忽那諸島においてはフィールドワークがによる存続要因の抽出と生態・社会・産業の各サブモデルの検討がおおむね順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
臨海農業集落の類型化等,平成26年度の成果により必要な修正を実施しながら,全体モデル構築に必要なサブモデルの検討と,モデル検証のための調査を実施してゆく。
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Causes of Carryover |
遠隔地での一部調査が次年度の実施となったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に調査を実施し,使用する計画である。
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