2015 Fiscal Year Annual Research Report
ゲノム編集法の応用によるヒト血液幹細胞遺伝子治療モデルの開発
Project/Area Number |
26670168
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
小柳 義夫 京都大学, ウイルス研究所, 教授 (80215417)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ゲノム編集 / 遺伝子治療 / CRISPR法 |
Outline of Annual Research Achievements |
CRISPR法を使ってhomology directed repair (HDR)経路による両アリル遺伝子座位へのDNA fragment挿入組換え実験の効率化に、CD4+ T細胞(JurkatならびにMT-4細胞)で成功した。その標的遺伝子として、まずHIV複製に関与するLEDGF蛋白質をコードするPSIP1遺伝子を試み、挿入蛍光蛋白質をコードする遺伝子の発現量の高い細胞をセルソータで選別する方法により効率よく組換え反応が生じた細胞を得ることができた。そして、次にその外来遺伝子を本来の内在性遺伝子に復帰あるいは単一塩基置換させる遺伝子改修法を開発した。なお、改修遺伝子の発現はウエスタン法により確認した。また、ゲノム編集法を利用した HDR 組換え法により、 HIV プロウイルス特異的に LacO 反復配列を挿入する手法を確立した。そして、その細胞に GFP 融合LacIを発現させ、 蛍光顕微鏡によりGFP凝集像が見出され、すなわち生細胞におけるHIV プロウイルスの動態追跡が可能であることをわかった。一方、ヒト血液幹細胞ならびにT細胞へ遺伝子構築を実現化する試みとして、HIV遺伝子そのものを標的とするゲノム編集技術開発を試みた。その結果、まずTALENの利用により、以前われわれが報告したCRISPR法(Sci Rep 3:2510, 2013)よりも、遺伝子除去効率がきわめて優れていることがわかった。また、CRISPR法によりHIV蛋白質をコードするウイルス遺伝子座位を標的として、HIVの複製を抑制しうる独自のレンチウイルスベクターを開発した(投稿中)。以上の結果から、遺伝子改修法としてCRISPR/Cas9法が有用であることがわかった。具体的に血液細胞、特に血液幹細胞への遺伝子治療法の施行が可能な技術展開への実験を行っている。
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Experimental evaluation of the zoonotic infection potency of simian retrovirus type 4 using humanized mouse model2015
Author(s)
Sato K, Kobayashi T, Misawa N, Yoshikawa R, Takeuchi, JS, Miura T, Okamoto M, Yasunaga J, Matsuoka M, Ito M, Miyazawa T, Koyanagi Y
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 5
Pages: 2-8
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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