2014 Fiscal Year Research-status Report
TBLと双方向型教育のハイブリッド型active learningの試み
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26670259
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Research Institution | Hyogo Medical University |
Principal Investigator |
今西 宏安 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (60340957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成瀬 均 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (00208092)
高橋 敬子 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (50309449)
鈴木 敬一郎 兵庫医科大学, 医学部, 教授 (70221322)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | TBL / チーム基盤型学習 / 双方向型授業 / Moodle / タブレット型PC |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、双方向型教育システムを取り入れたTBL (team-based learning)形式の症候学の授業を本学において3年生121人に 8ユニット、4年生114人に8ユニット行った。通信機器に詳しい事務スタッフ2人、一般事務を行うスタッフ1人、リソーサー教員16人(各ユニットに1人)と医学教育センター教員で構成するスタッフで準備と運営を行った。 TBLを行う講義室においてWi-Fi、フリーソフトであるMoodle、タブレット型PC端末を利用して画像や文章のやり取りが可能であることをあらかじめ確認した。TBLは1チームを基本6人とし、各チームに1台(または2台)のタブレット型PCを配布する。TBLの各ユニットは予習資料に基づく準備確認テスト,RAT(個人、その直後にチーム単位)と症例シナリオ(チーム単位)の設問に対する取り組み等からなる。学生がチーム単位で行った解答はタブレット型PCに打ち込まれ、教員はMoodleを通じて即座にこれを把握し、理解度に応じた解説や追加の設問を双方向で行う。授業終了後にもMoodle上で各チームからのアピールの受付とフィードバックを行い学生相互によるピア評価を提出させる。すべてのユニット終了後に学生と教員にアンケート調査を行った。 授業の運営は1年間大きなトラブルはなかった。通常の講義型学習と比べて3年生59%、4年生 79%が学習効果を感じた。タブレット型PCによる解答とフィードバックに関しては3年生55%、4年生 56%が肯定的な意見であった。リソーサーからはタブレット型PCの使用に肯定的な意見が多かったが、準備に対しての負担の大きさを指摘する意見も多かった。 双方向型教育システムを取り入れたTBL による教育が有用である可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の実施計画の主な内容は、タブレット型PC端末を用いた双方向型授業を取り入れたTBLを導入することであったが、平成26年度はこの形式のTBLを3年生と4年生合わせて16ユニット行えた。Wi-Fi, Moodle, タブレット型PC端末の使用に関して改善点はあったが、概ね大きなトラブルなく運営できた。 学生とリソーサー教員にアンケート調査も実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
リソーサー教員の負担の検討:具体的には資料、問題、症例シナリオ作成準備に対しての所要時間、さらに双方向型授業を取り入れたTBLの学習効果をどのように感じているかなどを検討する。 事務スタッフの負担の程度も検討する。 リソーサー教員と綿密な連携体制を構築しながら、タブレット型PC端末を用いた双方向型授業を取り入れたTBLにおいてどのような予習資料、準備確認テスト、症例シナリオが適しているのか、模索、検討していく。さらに双方向型授業における教員と学生のやりとりに、タブレット型PCやMoodleの使用がより有効活用できるような授業スタイルや課題の出し方も検討する。
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Causes of Carryover |
平成26年度はタブレット型PC端末を用いた双方向型授業を取り入れたTBLを実践し、アンケート調査を行ったが、学会発表を行うまでには至らず旅費を使わなかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
リソーサー教員が学生からの解答をストレスなく一覧できるモニターの整備、参考図書の整備、タブレット型PCおよびそれに関わる消耗品の補充、データ整理、解析のためのパーソナルコンピューターおよびその周辺機器、学会発表に関しての旅費、その他研究に関わる消耗品、などに使用する予定である。
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