2015 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経症状を伴うリソソーム病患者由来iN細胞の誘導と神経変性制御機構の解明
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26670269
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
伊藤 孝司 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 教授 (00184656)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 大輔 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 助教 (00423400)
幾尾 真理子 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部, 特任助教 (60713401)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ダイレクトリプログラミング / 疾患iPS細胞 / induced Neuron (iN細胞) / リソソーム病 / 蛍光イメージング / トラフィキング |
Outline of Annual Research Achievements |
リソソーム酵素の遺伝的欠損に基づき、脳内基質の過剰蓄積と中枢神経症状を伴うリソソーム病を対象に、ダイレクトリプログラミングにより患者皮膚線維芽細胞から直接、運動ニューロン等の神経細胞(induced Neuron, iN細胞)を誘導する方法、または患者iPS細胞株から神経細胞を選択的に誘導する方法を確立し、症例特異的な神経細胞病態モデル系の構築を目的として研究を実施した。 1.Cathepsin A(CTSA)欠損症(Galactosialidosis, GS)患者由来線維芽細胞株に、レンチウイルスベクターを用いてヒトNeurogenin2(NGN2)およびSOX11遺伝子を導入し、神経細胞へのダイレクトプログラミングを試みた。形態的には線維芽細胞からの突起形成が観察されたが、成熟神経細胞マーカーであるβ-Tubulin IIIの安定発現には至らなかった。 2.GS患者iPS細胞株から、京都大iPS研の近藤らの方法に従い、大脳皮質ニューロン(CN)への分化誘導を行い、56日後に大部分の細胞でβ-Tubulin IIIおよびNeurofilament-Lなどの神経細胞マーカーやCTIP2, TBR1, STAB2などの大脳皮質特異的な転写因子の発現を確認した。GS患者由来CNでは、CTSA欠損による二次的なNeuraminidase-1(NEU1)の活性低下と末端シアル酸含有糖鎖の蓄積が認められた。またヒトCTSA恒常発現CHO細胞由来のCTSA前駆体をGS-CNの培養液に添加したところ、カチオン非依存性マンノース6-リン酸(M6P)レセプターを介して取り込まれ、蓄積末端シアル酸含有糖鎖を減少させることが明らかになり、GSの病態モデルおよび治療効果の評価系として利用できると考えられた。 3.東京大院・浦野らが開発した、酸性pH活性化蛍光プローブ(AcidiFluoro Orange, AFO)と精製リソソーム酵素とのコンジュゲートを作製し、患者由来線維芽細胞の培養液に添加した際に、生細胞内への取り込みと酸性pHのリソソームへの輸送を可視化できた。
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Research Products
(36 results)
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[Journal Article] Protease-resistant modified human beta-hexosaminidase B ameliorates symptoms in GM2 gangliosidosis model.2016
Author(s)
Keisuke Kitakaze, Yasumichi Mizutani, Eiji Sugiyama, Chikako Tasaki, Daisuke Tsuji, Nobuo Maita, Takatsugu Hirokawa, Daisuke Asanuma, Mako Kamiya, Kohei Sato, Mitsutoshi Setou, Yasuteru Urano, Tadayasu Togawa, Akira Otaka, Hitoshi Sakuraba, Kohji Itoh
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Journal Title
The Journal of Clinical Investigation
Volume: 126(5)
Pages: 1691-1703
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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[Presentation] タンパク質半化学合成を指向した配列特異的チオエステル化法の開発2015
Author(s)
津田 雄介, 重永 章, 辻 耕平, 傳田 将也, 佐藤 浩平, 北風 圭介, 中村 太寛, 猪熊 翼, 伊藤 孝司, 大髙 章
Organizer
創薬懇話会2015 in 徳島 次世代を担う若手のためのメディシナルケミストリーフォーラム
Place of Presentation
徳島県鳴門市(グランドエクシブ鳴門 ザ・ロッジ)
Year and Date
2015-07-02 – 2015-07-03
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[Presentation] 新規組換えリソソーム酵素の創製とリソソーム病治療への応用2015
Author(s)
伊藤 孝司, 西岡 宗一郎, 辻 大輔, 東 哲也, 真板 宣男, 小林 功, 瀬筒 秀樹, 湯本 史明, 原園 景, 石井 明子, 川崎 ナナ
Organizer
第15回蛋白質科学会年会
Place of Presentation
徳島県徳島市(あわぎんホール)
Year and Date
2015-06-26
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[Presentation] Development of Chemistry-based Protocol for Sequence-dependent Thioesterification.2015
Author(s)
Yusuke Tsuda, Akira Shigenaga, Kohei Tsuji, Masaya Denda, Kohei Sato, Keisuke Kitakaze, Takahiro Nakamura, Tsubasa Inokuma, Kohji Itoh, Akira Otaka
Organizer
American Peptide Symposium 2015
Place of Presentation
Hyatt Regency (Orland, Florida, USA)
Year and Date
2015-06-20
Int'l Joint Research
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[Book] 癌と化学療法 - 術前2週間のS-1投与によりGrade2の治療効果が得られた進行胃癌の1例-2015
Author(s)
湯浅 康弘, 沖津 宏, 後藤 正和, 枝川 広志, 大森 理佐, 谷 亮太郎, 増田 有理, 蔵本 俊輔,松本 大資, 富林 敦司, 浜田 陽子, 山下 留理子, 藤井 義幸, 伊藤 孝司
Total Pages
120(637-638)
Publisher
株式会社 癌と化学療法社
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