2014 Fiscal Year Research-status Report
小胞体ストレス応答シグナル制御による封入体筋炎治療法の開発
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26670270
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
親泊 政一 徳島大学, 疾患プロテオゲノム研究センター, 教授 (90502534)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 小胞体ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、申請者が発見したeIF2αリン酸化シグナルによる骨格筋の機能変化を基に、小胞体ストレスとの関連が示唆される封入体筋炎モデルにおいて、eIF2αリン酸化シグナル活性化による筋機能の改善効果について明らかにすることを目的とする。 今年度は、eIF2αリン酸化シグナル活性化による封入体筋炎治療法が可能か否かを、eIF2αリン酸化を制御できる遺伝子改変マウス(未発表)を用いた封入体筋炎モデルでの遺伝子発現変化や筋機能の改善効果を検討した。eIF2αリン酸化により骨格筋でのアミノ酸や筋繊維の変化を確認できた。さらに新たな治療法開発を目指して、eIF2αリン酸化による遺伝子変化を指標にした化合物スクリーニング法を確立した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
AP20187投与eIF2αをリン酸化したFv2E-PERKマウス(TG)と野生型(WT)の骨格筋で、LS-MS/MSにより骨格筋細胞のアミノ酸プールが変化することを見出した。また免疫組織染色で遅筋型ミオシン重鎖が、eIF2αリン酸化で変化することを見いだすことができた。さらにeIF2αリン酸化による遺伝子変化を指標にした化合物スクリーニング法を確立した。
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Strategy for Future Research Activity |
樹立した骨格筋特異的にeIF2αリン酸化を制御できるFv2E-PERKマウスで封入体筋炎を誘発し、P20187の投与量、投与回数など複数の条件でeIF2αリン酸化による効果を検討する。さらにeIF2αリン酸化を制御できる化合物による新たな治療法を開発するために、化合物ライブラリーから前年度確立したスクリーニング法にて新規化合物を行う予定である。
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Causes of Carryover |
eIF2αリン酸化を制御できるFv2E-PERKマウスで封入体筋炎を誘発し、P20187の投与量、投与回数など複数の条件でeIF2αリン酸化の程度を変化して封入体筋炎抑制効果を検討しているが、条件検討に多少時間を取っているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究では、骨格筋でのeIF2αリン酸化シグナルの制御による封入対筋炎の新たな治療法の基盤を確立することを研究の目的としている。申請者らが開発したスクリーニング法でより強くeIF2αをリン酸化する化合物を探索し、効果が確認できた化合物投与群と非投与群からRNAを抽出してDNAマイクロアレイにより網羅的な遺伝子発現解析を行う予定のため、マイクロアレイ解析や組織学解析の経費にあてる。
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Research Products
(20 results)
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[Journal Article] Long-term low carbohydrate diet leads to deleterious metabolic manifestations in diabetic mice.2014
Author(s)
Handa K, Inukai K, Onuma H, Kudo A, Nakagawa F, Tsugawa K, Kitahara A, Moriya R, Takahashi K, Sumitani Y, Hosaka T, Kawakami H, Oyadomari S, Ishida H.
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Journal Title
PLoS One.
Volume: 9
Pages: e104948
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Activating Transcription Factor 6α Is Required for the Vasopressin Neuron System to Maintain Water Balance under Dehydration in Male Mice.2014
Author(s)
Azuma Y, Hagiwara D, Lu W, Suga H, Goto M, Banno R, Sugimura Y, Oyadomari S, Mori K, Shiota A, Asai N, Takahashi M, Oiso Y, Arima H.
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Journal Title
Endocrinology
Volume: 155
Pages: 4905-4914
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 飽和脂肪酸による膵β細胞の小胞体膜の組成変化は、PERK経路活性化を遷延させ翻訳抑制を介してインスリン分泌を低下させる2014
Author(s)
倉橋清衛, 森智子, 宮本千伸, 津川和江, 親泊美帆, 高原一菜, 佐藤亮祐, 木村千寿子, 三宅雅人, 松本俊夫, 親泊政一
Organizer
第9回小胞体ストレス研究会
Place of Presentation
徳島大学(徳島県・徳島市)
Year and Date
2014-07-04
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[Presentation] 軟骨分化におけるATF6βの役割2014
Author(s)
佐藤亮祐, 三宅雅人, 松尾顕, 張君, 谷内秀輔, 倉橋清衛, 高原一菜, 久永哲, 西良浩一, 親泊政一
Organizer
第9回小胞体ストレス研究会
Place of Presentation
徳島大学(徳島県・徳島市)
Year and Date
2014-07-04
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[Presentation] 飽和脂肪酸は膵β細胞の小胞体膜の組成を変化させ、PERK経路の活性化による翻訳抑制を介してインスリン分泌を低下させる2014
Author(s)
倉橋清衛, 森智子, 宮本千伸, 津川和江,三浦直子, 親泊美帆, 野村明利, 高原一菜,佐藤亮祐, 山下裕紀子, 木村千寿子, 三宅雅人, 松本俊夫, 親泊政一
Organizer
第57回日本糖尿病学会年次学術集会
Place of Presentation
大阪国際会議場(大阪府・大阪市)
Year and Date
2014-05-22