2015 Fiscal Year Annual Research Report
グライコブロッティング法による糖尿病網膜症関連糖鎖の網羅的解析
Project/Area Number |
26670749
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石田 晋 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (10245558)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 紳一郎 北海道大学, 先端生命科学研究科(研究院), 教授 (00183898)
野田 航介 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90296666)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 糖尿病網膜症 / 糖鎖 / グライコミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、核酸、蛋白質に続く第三の鎖状生命分子として糖鎖分子が注目されており、糖鎖構造の変化が蛋白機能に影響を与えることが明らかとなってきた。糖尿病における疾患関連糖鎖を発見することはその病態のさらなる理解や新しい治療標的分子の発見、そして新規治療法開発につながる可能性がある。昨年度は、糖尿病網膜症患者の血漿および硝子体中におけるN型糖鎖量の比較をおこない、血漿中では両群に差がなかったが、硝子体中では糖尿病群でN型糖鎖、特にシアル酸含有糖鎖が有意に増加していることを明らかとした。本検討結果は、糖尿病網膜症を有する眼内にはシアル酸含有糖鎖を選択的に増加させる機序がある可能性を示していた。 本年度は、糖尿病網膜症群の硝子体中でシアル酸含有糖鎖量が増加するメカニズムに関する検討をおこなった。糖鎖にシアル酸を付加するシアル酸転移酵素ST3GAL1,ST3GAL4、ST6GAL1の発現をreal-time PCR法を用いて測定した。 ST3GAL1 mRNAおよびST3GAL4 mRNA は糖負荷刺激6時間後、24時間後、72時間後で有意に増加していた。一方で、ST6GAL1 mRNA は糖負荷刺激では変化しなかった。さらに、糖負荷刺激72時間後にST3GAL1蛋白およびST3GAL4蛋白が増加しているかをELISA法で検討した。前述のreal-time PCR法の結果と同様に、ST3GAL1およびST3GAL4の蛋白が糖負荷刺激群で有意に増加することが明らかとなった。
|