2014 Fiscal Year Research-status Report
難治性神経疾患の新規治療法開発-歯髄由来幹細胞の新たな生物学的機能-
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26670837
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
秋山 謙太郎 岡山大学, 大学病院, 講師 (70423291)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (00225195)
大島 正充 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (00548307)
大野 充昭 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60613156)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯髄幹細胞 / 神経再生因子 / 骨髄由来間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は神経傷害モデル実験的自己免疫性脳炎(experimental autoimmuneencephalomyelitis; EAE)マウスに対する歯髄幹細胞(DPSCs)全身投与が,神経機能回復を含めた治療効果を示すかを検証する事を目的とし, ①ヒト抜去歯由来 DPSCsを EAE モデルマウスに全身投与し,その治療効果を神経行動学的,病理組 織学的,免疫機能学的な観点から骨髄由来間葉系幹細胞(BMMSCs) 投与群と比較・検討する. ②蛍光標識したヒト DPSCsあるいはBMMSCsを EAE モデルマウスに全身投与し,投与された幹細胞の傷害神経組織への集積を経時的に組織学的観察する.さらに, 対象部位から蛍光標識を指標に細胞を分離し, 集積細胞の性質変化を分子生物学的に解析する事により, 傷害神経再生に関連する 因子群を解明する. 以上を遂行する為に,ヒト歯髄由来幹細胞を培養し,EAEモデルマウスに全身投与した.その結果,神経行動学的な治療効果は得られなかった.しかしながら,骨髄由来間葉系幹細胞と同様に,炎症性T細胞の1つであるTh17細胞を有意に抑制し,抑制性T細胞を有意に促進していた.更には,in vitroにおいても抑制性T細胞の分化誘導をBMMSCsと同程度に促進する事が明らかとなった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
DPSCsの免疫抑制作用はBMMSCsと比較しても遜色無い事が前述の研究結果より明らかとなった.しかしながら,神経行動学的な治療効果を得るには至っておらず,細胞の投与方法や投与タイミング等の更なる検討が必要である.さらにはDPSCsのもつ免疫抑制作用を更に増強するようなプレ刺激を与え,全身投与する方法を検討中である.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は前述の研究計画を遂行する為に,更なる治療効果を得るようなDPSCsの投与方法を検討するとともに,傷害部位への投与幹細胞のホーミングについて検討して行く.
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