2015 Fiscal Year Annual Research Report
燃料電池用水素と機能性樹脂のコラボ創出を目指したバイオマス全成分利活用法の開発
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26701011
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
浅田 元子 徳島大学, ソシオテクノサイエンス研究部, 講師 (10580954)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リグノセルロース |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は主に水蒸気爆砕物を原料としたメタン(水素製造のための前駆物質)の効率的生産について研究した。メタン発酵には消化汚泥の状態を均一に保つために撹拌を行うことが必要であること、消化汚泥の保存方法は冷蔵すると発酵能が低下してしまうため、常温で保存するのが効果的であることがわかった。また、メタン発酵時における原料と消化汚泥の混合率やpH、温度などについて検討した。スギを用いたメタン発酵では、スギを水蒸気爆砕処理(水蒸気圧力45 atm, 蒸煮時間5 min)した後、水や有機溶媒(メタノールまたはアセトン)抽出によって阻害物質を除去することが、メタン発酵に効果的であり、メタン発酵収量は約70%であった。また、タケを用いたメタン発酵の場合でも水蒸気爆砕処理(水蒸気圧力35 atm、蒸煮時間5 min)と水・有機溶媒抽出による阻害物の除去が効果的であり、メタン発酵収量は約80%に達した。有機溶媒によって水蒸気爆砕物から抽出分離された抽出物は比較的均一な低分子量オルガノソルブリグニンであり、エポキシ樹脂や樹脂硬化剤として利用可能であることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・水蒸気爆砕物のセルロース成分の効率的メタン発酵条件をある程度決定できた。 ・水蒸気爆砕物のリグニン成分をエポキシ樹脂や樹脂硬化剤として利用可能であることを明らかにした。
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Strategy for Future Research Activity |
・メタン発酵および樹脂製造のための最適な水蒸気爆砕と抽出分離条件を検討する。 ・メタン発酵と樹脂製造の効率化を試みる。
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Causes of Carryover |
現有物品の使用により、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
セルロース成分のメタン発酵やリグニン成分の機能性樹脂化のための物品費や人件費・謝金、研究発表や研究調査のための旅費に使用する。
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Research Products
(1 results)