2015 Fiscal Year Annual Research Report
大規模試験のためのタブレット端末と統計理論を利用したテスト・システムの実験的運用
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26702003
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Research Institution | The National Center for University Entrance Examinations |
Principal Investigator |
大久保 智哉 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 助教 (80512136)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | CBT / 大規模試験 / IRT |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は,(1) 情報技術を取り入れた英語と教科型問題の試験問題の作成,(2) 記述回答形式による教科型問題を通じた試験運用システムの仮運用と運用技術の蓄積,(3) 試験運用システム(採点システムを含む)の効率化と安定化のための研究, (4) 情報技術を取り入れた新しい問題形式の開発,について主に研究が進められた.(1) 情報技術を取り入れた英語と教科型問題の試験問題の作成,については,本研究開始時よりおこなわれている,英語活用力試験問題の作成に加えて,研究が進められている数学の新たな出題形式についての成果を取り入れた試験問題も含めた教科型問題についてその試作問題を作成した.(2) 記述回答形式による教科型問題を通じた試験運用システムの仮運用と運用技術の蓄積,については,平成26年度より,引き続き試験運用システムの仮運用をおこなっている.なお,仮運用する際の利用者は大学の初年次教育を受ける学生や高校生を計画していたが,高校生は中央教育審議会における答申が出たことの影響を考慮し,対象から外した.また,平成26年度よりも年間のべ受験者数は増えている.本年度の運用を通じて,高負荷になったときの問題点や改善点が明らかになり,その改善点についても,検討が進められた.(3) 試験運用システム(採点システムを含む)の効率化と安定化のための研究,については,平成26年度に引き続き,大規模試験運用の観点から特にそのアルゴリズムについて検討をおこなった.(4) 情報技術を取り入れた新しい問題形式の開発,については数学において図形記述問題のその方式について研究が進められ形式化された.また,具体的なサンプル問題についても作成された.さらには,シミュレーション型の試験問題についても医学教育での分野での利用を想定したものが作成され,その内容について発表された成果をもとに改善点を明らかにした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の研究は昨年度に引き続き,当初計画に沿った形で実施された.運用の実証実験においては,中央教育審議会における答申に「CBTについても検討する」と書かれていたことを踏まえ,高校生には無用な影響を与えないように,対象者からは除外した.大学生を対象に実験はおこなわれた.そのほか,情報端末を活かした新しい試験の出題・解答形式については,引き続き順調に進めることができた.ただし,試験問題の作成問題数については,当初計画よりも少ないものとなった.これは,試験の形式についてより多くの研究リソースを割いたためであった.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,昨年度までと同様に試験の出題・解答形式に関する研究を推し進めることと平行して,試験問題を作成していく.加えて,実証のための運用をおこなうものとする.加えて,最終年度であるために,研究者だけではなく,学校関係・産業関係の人間を対象にした講演をおこなっていく計画である.このことにより,研究成果のより広い形での公表と波及効果を生み出せると考えている.本年度は,さらに当初計画通りに研究を進展させつつ,中央教育審議会の答申において示された記述解答形式の大規模試験への導入を念頭においた,その出題形式及び解答形式についても研究を進めていくことを考えている.また,記述解答形式の研究については,自然言語処理技術を持つ研究者との共同研究が不可欠であるため,本年度は研究成果の公表と併せて,本研究の研究期間内に共同で研究をおこなえる体制を迅速に整えていくことが研究成果を多く得るために必要なことだととらえている.また,試験問題の作成については,計画通り進めていくが,研究成果によって得られた知見をもとに,より新規性・信頼性・妥当性の高い形式に修正を加えていくことも念頭に置いて研究を進めることが肝要であると考えている.
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Causes of Carryover |
平成27年度は,中央教育審議会の答申に本研究の内容についての言及があったため,その高校現場への影響を考えて,当初予定していた高校生に対する実証実験をとりやめた.これは,不公平感や議論が習熟していないうちにそのイメージを高校生に植え付けることを避けるために重要なことであった.また,情報技術を用いた試験問題について計画よりも問題作成数が減ったことも原因の一つである.ただし,こちらについても出題形式・解答形式についても平行して研究をすすめていくなかでは,研究の重点が変わることは,研究を総括する上でやむを得ないことであり,研究期間内の研究成果の最大化を考えていく.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度に生じてしまった繰り越し分については,平成28年度も引き続き,試験問題の作成とその出題・解答形式の研究において利用していく計画となっている.具体的には,記述解答形式をより効率的・安定的に実施するための運用方式の研究,すなわち自然言語処理技術を持つアルバイトの雇用,及び試験問題の作成に関連する経費である.
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Research Products
(4 results)