2018 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of a nondestructive analytical method for iron artifacts using pulsed neutron and high energy X-ray
Project/Area Number |
26702004
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
田中 眞奈子 昭和女子大学, 人間文化学部, 講師 (70616375)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 鉄鋼文化財 / パルス中性子 / 高エネルギーX線 / 放射光 / 制作技法 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、X線と異なる特性を持つ中性子を用いて鉄鋼文化財を分析し、結果の総合的解析により材質や内部構造を解明すること、そして最終的には鉄鋼文化財の非破壊分析手法を確立することを目的としている。最終年度である平成30年度も、以下のように大変意義のある成果を得ることが出来た。 (1)ヨーロッパにおける中性子を用いた文化財分析の中核施設であるBudapest Neutron Centerで、これまで行ってきた中性子を用いた分析を補完できる、精緻な非破壊分析(Prompt Gamma Activation Imaging、即発ガンマ線イメージング分析)を実施し、鉄製の自在置物内部の金属由来の接着剤の非破壊での定性分析に成功した。これまで行ってきた高エネルギーX線と中性子を用いた鉄鋼文化財の非破壊分析手法を完成・確立させるために必要な追加実験を行うことが出来た。 (2)今年度も、本研究の最終目標としていた美術館所蔵の大変貴重な鉄鋼文化財(徳川斉昭公作太刀、徳川ミュージアム所蔵品)を含む価値のある日本刀等のSPring-8での高エネルギーX線CT測定を実施することが出来た。分析技術の更なる改良と基礎データの蓄積を進めるとともに、鋼中の非金属介在物の配列の観察による具体的な制作技術の解明に取り組んだ。 (3)これまでの研究成果を、非常に権威ある国際会議”Gordon Research Conference on Scientific Methods in Cultural Heritage Research 2018”での招待講演をはじめとする7件の発表(うち4件が招待講演、2件が国際会議)、1件の論文を通して積極的に公表した。自在置物の研究成果は北九州イノベーションギャラリーでの展覧会(2019年4月20日開催)への出展が決まり、研究成果の社会実装を推進することが出来た。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)