2014 Fiscal Year Annual Research Report
若年女性のやせすぎと脳の健康―実行機能に注目して―
Project/Area Number |
26702030
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
紙上 敬太 早稲田大学, スポーツ科学学術院, 講師 (20508254)
|
Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 女性 / やせすぎ / 脳 / 健康 / 認知機能 / 実行機能 / 事象関連脳電位 |
Outline of Annual Research Achievements |
我が国では,健康な若年女性におけるやせすぎ者の増加という,我が国特有の現象が起きている。やせすぎは身体的,精神的に健康問題を来たし,さらには母体のやせすぎは胎児に悪影響を及ぼす。よって,このやせすぎ者の増加に歯止めをかけ,その割合を減少させる必要がある。本研究では,脳の健康という視点から若年女性のやせすぎの問題点を提示すべく,日本人若年女性のやせすぎと脳機能との関係を明らかにすることを目的としている。 本研究では,脳機能の中でも実行機能と呼ばれる高次認知機能に注目している。実行機能は「目的に応じて思考や行動を調整する能力」と幅広く定義された包括的用語である。本研究では,実行機能の核となる3つの下位機能(抑制・作業記憶・認知的柔軟性)に焦点を当て,参加者の実行機能を包括的に評価している。また,認知課題中の認知パフォーマンス(正反応率・反応時間)に加え,1/1000秒単位で認知処理過程の時間的な変化を評価できる脳波(事象関連脳電位)を計測している。このように,さまざまな認知課題,事象関連脳電位を用いることによって,実行機能を包括的に評価し,「どの実行機能にやせすぎとの関係が認められるのか」(もしくはその関係が強いのか),「どの認知処理過程にやせすぎとの関係が認められるのか」を明らかにしたいと考えている。 本研究では,20代の女子大学生を対象とし,やせすぎの若年女性と普通体重の若年女性の実行機能を比較する横断的研究デザインを用いており,平成26年度には約20名からデータを取得した。今後も引き続き同実験を継続し,サンプル数を増やしていく予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予備実験などの実験準備に時間を要したため,予定よりもデータ取得数が少ないのが現状である。しかし,予備実験を重ねたことにより実験デザインを確立できたので,今後は計画通りに研究を進めることができると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度に実験デザインを確立することができた。本研究目的を達成するためには,さらにサンプル数を増やす必要があるため,今後も同実験を継続していく予定である。
|
Causes of Carryover |
当初の予定よりもデータ取得数が少なくなったため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
サンプル数を増やしていく必要がある。よって,実験参加者への謝金,実験に必要な消耗品に使用する予定である。
|