2014 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な対ロボット関係を実現する連動的全身非言語行動による親密性表出モデル
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26705008
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
上出 寛子 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (90585960)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 非言語コミュニケーション / 親密性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,親密ペアと未知ペア(各48名の日本人)の会話中に測定したモーションキャプチャデータを用いて,コサイン類似度に基づく非言語動作の定量的抽出と,動作カテゴリの作成を行い,各ペアに特徴的な動作の特定を行った.さらに,特定された動作をCG上で再現し,親密ペアの動作は,未知ペアの動作よりも親密性を有意に高く表現できていることを確認した. 最初に,モーションキャプチャのマーカーから体節ベクトルを作成し,測定した10分間における各フレーム間(10Hz)でのコサイン類似度をベクトルごとに計算し,静動判定を行い,動作の抽出を行った.96人の全データから,12033個の動作を抽出した.次に,抽出された動作間でのコサイン類似度の比較を行い,類似動作をカテゴリにまとめた.最終的に811種類の動作にまとめられた. 親密ペアと未知ペアが,それぞれよく行う動作のトップリストを作成し,実施回数が各ペアで有意に異なる(主に,親密ペアの方が未知ペアよりも実施回数が多い)動作を中心に,各ペアに特徴的な動作の選定を行った.この動作をランダムに組み合わせることで,3分程度のシナリオを作成した. 作成したシナリオに基づき,3次元の動画(フィギュアは人間またはロボットの2種類)を親密ペア・未知ペア条件ごとに作成した.これらの動作がどの程度相手への親密性を表現できているかどうかについて200名を対象に印象評価実験を実施したところ,親密ペア条件の動画のほうが,未知条件ペアの動画よりも,親密性を有意に高く表現できていることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定どおり,モーションキャプチャデータから定量的に動作を抽出することができた.また,親密なペアに特徴的な動作を特定することもでき,さまざまな詳細な動作の抽出が完了した.予定よりも,多くの詳細な動作の特定ができたため,ロボットに実装する前に,重要な動作の選定を行うため,親密性に関連すると思われる動作をCG上で再現した.印象評価実験により,親密性の表出効果を検証することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
予定も多くの詳細な親密動作が抽出された.CG上でこれらの動作における親密性表出の効果について確認できたため,今後は,実機ロボットに実装していく.さらに,各動作寒の時系列的関連性と,ペア間での動作の相互依存的な関連性について定量的に検討を重ね,ダイナミックな全身の動作の連動性を予測するモデルを構築する.
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Causes of Carryover |
定量的に抽出した動作に対する印象評価実験については,当初は直接,実機ロボットに実装して効果を測定する予定であった.しかしながら,親密性に関連する動作の種類が,想定よりも多く抽出されてきたため,いずれの動作が親密性表出にとってより重要であるのかを調べ,より親密性表出に特定的な動作を選定する必要が出てきた.そのため,動作が表出する親密性の効果を予備的に検討をするため,実機ロボットに実装する前に,CG上での提示実験を実施することとした.これにより実機ロボット実験のための使用額が来年度に移行することとなった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
来年度の始めに実機ロボットの整備を行い実験のための準備を行う際に用いる予定である.用いるロボットは予定通り大阪大学新井研究室のHRP-2とする.
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Research Products
(4 results)