2015 Fiscal Year Annual Research Report
持続可能な対ロボット関係を実現する連動的全身非言語行動による親密性表出モデル
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26705008
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
上出 寛子 東北大学, 電気通信研究所, 助教 (90585960)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コミュニケーション行動 / 親密性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,人間同士のコミュニケーション行動を解析した結果に基づき,実機ロボットを用いた実証実験を行うことを目的とした.特に,親密な関係にある人間同士に特徴的な行動と,未知関係に特徴的な動作をロボットで再現し,異なるレベルの親密性を表現できるかどうかを検証することとした.実施する過程で,人間の行う動作をロボットに実装させた際,当該動作を人間が行った場合と印象が異なる可能性が明らかとなった.そこで,実機ロボットが人間同士の動作を表現した際に,人間が当該動作を行った際と同じ動作として評価されるのかどうかを検証した. その結果,人間と同じ動作であっても,類似ではないと判断される動作と,類似であると判断される動画があることが明らかになった.特に,人間の場合には自身の身体(顔や髪の毛,腕や腰など)に触れる動作があるが,ロボットの場合は自己接触は回避しなければならないため,物理的にまったく同じ動作が再現できないという制約がある.また,動きの速さ(腕を持ち上げるスピードなど)にもロボットには上限があるため,出来るだけ人間とロボットの動作を類似に表現するための調整が必要となった. また,個人内の全身の連動性や相手との相互依存的な非言語行動の表出をモデル化するにあたり,機械学習を用いたモーションマニフォールドを作成する方法が提案された.会話を行っている2名のそれぞれの動きを入力データにしマニフォールドを2つ作成し,両者を距離や親密度などのパラメータで回帰させることで,自身の動きと相手の動きから,自身の次の適切な行動を出力とするモデルを立てることとした.このモデルを完成させ,実機ロボットでの実装を今後の実験で行うこととした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
27年度に,所属が大阪大学から東北大学へ異動となり,現所属の研究室と大阪大学の研究室との連携により遂行することとなった.そのため,異動に際して,物理的な距離と時間的な制限が生じ,若干遅れが出た.
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Strategy for Future Research Activity |
異動に伴い,実機ロボットを用いた評価実験を次年度に繰越すこととなった.大阪大学にある実機ロボットに任意の動作を実装させることができるようになったため,今後は,動作モデルを実機ロボットに実装して,動作の親密性の表現に関する評価実験を行う.
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Causes of Carryover |
平成27年度に大阪大学から東北大学へ異動となり,異動に際して研究の推進がやや遅れた.特に,阪大にある実機ロボットを用いた評価実験を行う予定であったが,物理的な距離や時間的な制限から,次年度に実験を行うこととしたため,その分,次年度分の使用額が生じた.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実機ロボットを用いた評価実験を行うために用いる予定である.
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Research Products
(3 results)