2014 Fiscal Year Annual Research Report
酸化物ナノ機能物性の抽出を目指した絶縁性単結晶酸化物ナノワイヤの創成
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26706005
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
長島 一樹 大阪大学, 産業科学研究所, 助教 (10585988)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 酸化物ナノワイヤ / VLS成長 / 絶縁体 |
Outline of Annual Research Achievements |
単結晶酸化物ナノワイヤは多彩な機能物性及び大気・水中での化学的安定性から、最近急速に注目を集めている研究分野である。本研究では、酸化物ナノワイヤが本来有するナノ機能物性の抽出・応用展開において根本的な障壁となっていた格子欠陥形成メカニズムを解明・制御し、極めて格子欠陥の少ない高結晶性絶縁体単結晶酸化物ナノワイヤを創成することを目的とする。当該年度は酸化物ナノワイヤ材料の一つであるSnO2ナノワイヤを用いてVLS(Vapor-Liquid-Solid)結晶成長制御を行い、臨界核形成メカニズムに基づいてVS(薄膜成長)/VLS(ナノワイヤ成長)比を制御することに成功した。更には作製したSnO2ナノワイヤの電子輸送特性を検証した結果、VS/VLS成長比に依存した電気伝導性が生じることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は①単結晶酸化物ナノワイヤの気液固(VLS)成長を制御し、付随する気固(VS)薄膜成長を任意に変調すること、加えて②電気伝導特性評価によりVS層の電気伝導性を検証することを当初の目的としていたが、これまで我々が独自のアプローチで明らかにしてきた臨界核形成メカニズムに基づきVLS/VS成長制御に成功し、単一ナノワイヤ素子を用いた電気伝導評価によりVS層が有する電気伝導性の検証に成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに作製・評価した単結晶酸化物ナノワイヤを種々の物性測定手法により多角的に評価し、格子欠陥形成メカニズムの解明を試みる。UV吸収測定(バンドギャップ)、電界効果トランジスタ(FET)素子測定(キャリア密度・移動度)、熱伝導率測定(電子-格子フォノン相互作用)など様々な物理現象を介して評価し、酸化物ナノワイヤ中の格子欠陥評価、及び電気輸送特性への影響を定量的に評価する。酸化物ナノワイヤ-電極界面における界面接触抵抗によりFET素子による物性評価が困難な場合、非接触マイクロ波吸収測定と時間分解PLを融合した測定法により光励起キャリア寿命・移動度の評価を試みる。上記で明らかにした知見に基づき格子欠陥を劇的に抑制し、高結晶性絶縁体酸化物ナノワイヤを創成する。
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Research Products
(15 results)