2016 Fiscal Year Annual Research Report
Chemical enrichment processes in Early Earth's surface environments
Project/Area Number |
26709069
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
大竹 翼 北海道大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (80544105)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バーバトン緑色片岩帯 / 初期地球 / 地球表層環境 / 縞状鉄鉱層 / クロムスピネル / 熱水実験 / 生命の進化 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成28年度はこれまで採取した試料の化学分析、特に有機物に着目して分析を行った。これまでの研究では、縞状鉄鉱層には有機物はほとんど含まれていないと考えられていたが、本研究で採取した試料には最大で0.3wt%ほどの有機物が含まれており、また鉄含有量と逆相関の関係性を持つことから鉄鉱物が有機物の起源となる生物活動によって沈殿したことが明らかになった。つまり、当時の浅海域にはすでに鉄を沈殿させるような微生物を主体とするような生態系が広がっていたことを示唆する。また、昨年度までの研究結果からクロムの化学的濃集は一部の海洋が酸化的であったことを示唆することから、これら浅海域に生息していた生物は酸素発生型光合成細菌である可能性が高い。32億年前にすでに生命がこのような進化を遂げていたことは、近年、他の研究からも明らかになりつつあるが、本研究では無機的および有機的な両面からのアプローチでその証拠を示しており説得力のあるものであると考える。これらの成果は、Goldschmidt Conferenceや地球化学会などで発表された。 また、昨年度より、熱水フロースルー実験装置を用いて、鉄鉱物やクロム鉱物の変質実験を行っているが、今年度は出発物質となる低温で生成した水酸化物と熱水実験の生成物を電子顕微鏡や分光学的手法で詳細に観察した。その結果、低温熱水条件下でのクロムスピネルの生成が確認された。しかしながら、確認されたクロムスピネルはナノ粒子の集合した多結晶体であり、縞状鉄鉱層中に見られたクロムスピネルとは異なる構造であった。これは実験条件や時間スケールが天然とは異なるためであると考えられ、将来的にはクロムスピネルの結晶成長の条件を明らかになるために、さらに実験的な研究を進めていく必要がある。この研究成果もGoldschmidt Conferenceや地球化学会にて発表された。
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Research Progress Status |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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[Journal Article] A novel method for remediation of nickel containing wastewater at neutral conditions2017
Author(s)
Hase, H., Nishiuchi, T., Sato, T., Otake, T., Yaita, T., Kobayashi, T., Yoneda, T.
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Journal Title
Journal of Hazardous Materials
Volume: 329
Pages: 49-56
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] 5-year chemico-physical evolution of concrete-claystone interfaces2017
Author(s)
U. Mader, A. Jenni, C. Lerouge, S. Gaboreau, S. Miyoshi, Y. Kimura, V. Cloet, M. Fukaya, F. Claret, T. Otake, M. Shibata, B. Lothenbach
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Journal Title
Swiss Journal of Geosciences
Volume: 印刷中
Pages: 印刷中
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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