2014 Fiscal Year Research-status Report
再構成型HPCシステムにおけるデバイス間の高速通信基盤の開発
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26730032
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Research Institution | Kawasaki University of Medical Welfare |
Principal Investigator |
近藤 真史 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 助教 (90590133)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | GALSシステム / 非同期式回路 / アービタ / リングバス / FPGA |
Outline of Annual Research Achievements |
リングセグメントバス(RSB)を再構成型HPCシステムの通信基盤として応用するための第一段階として,1.階層型RSBシステムおよび2.分散型グローバルアービタの設計を行った. まず,1.については,従来の単層RSBにおいて環状の非同期バスを制御するグローバルアービタの機能をローカルアービタに拡張し,各階層における環状バスの制御を実現した.特に,各階層を接続するバスコネクタを二重化することにより,同一クロックドメイン(CD)からの複数の非同期転送を可能としている.この二重化に伴って,非同期バスを構成するセグメントの制御が複雑化するが,本研究ではセグメントの占有状況を表す状態レジスタを2倍の長さに拡張し,2ビットを単位として各セグメントを制御することにより,その制御アルゴリズムを簡略化している.そして,これに基づいたRSBシステムをHDLにより設計した結果,シミュレーションを通じて所望の動作を確認した. 次に,2.については,グローバルアービタの機能をセルとして各CDに分散化し,環状のバス形態を利用した制御を実現した.具体的な回路構成としては,グローバルアービタの機能を(1)競合処理,(2)最短経路算出処理,(3)転送経路の構築処理の3つに分類した上で,各処理を実現する回路機構をCDの状況に応じてスイッチングする方針を採っている.まず(1)については,環状のバス形態を利用したトークンリング方式を採用し,(2)では,環状のバス上に双方向へ要求信号を発し,転送先から先に承認信号が返送された経路を以って最短経路を算出する.また,承認信号の返送時に(3)を処理しながら転送経路を構築することにより効率的なバス制御を実現している.これに基づいた分散型グローバルアービタを非同期式回路合成ツールPetrifyにより設計し,シミュレーションを通じて所望の動作を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の平成26年度研究実施計画に従って,1.階層型RSBおよび2.分散型グローバルアービタをそれぞれ設計し,シミュレーションを通じていずれも所望の動作を確認しており,実施計画の大部分は完了している.
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度実施計画で行った1.階層型RSBおよび2.分散型グローバルアービタの回路実装と性能評価が急務である.前者の回路実装については,当初の平成27年度実施計画に従い,複数FPGAを用いた再構成型HPCシステムの構築と平行して実施する予定である.具体的には,PCI接続のFPGAボード6枚を用い,各ボードのGPIOを介して環状のバスを形成した上で,各FPGAをCDに見立ててそれぞれにGCellを実装する.一方,後者の性能評価については,分散型グローバルアービタはその制御形態からセグメントの配線遅延が速度性能に影響することから,各CDからの要求発生頻度といった機能レベルの動作仕様だけでなく,配線遅延などの静的なパラメータを併用した性能評価法を開発する.特にこれは単に分散型グローバルアービタの性能評価だけでなく,本課題の最終目標である上述のRSBに基づいた再構成型HPCシステムの性能評価も想定して検討・開発する予定である.
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Causes of Carryover |
当初予定していた国際会議での発表が見送りとなったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度も国際会議旅費を別途計上しているため,平成26年度の未使用額は,より様々な評価結果を得るために物品費(FPGA M505)の拡充に使用する予定である.
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