2015 Fiscal Year Research-status Report
ハイダイナミックレンジカメラを用いた既存の車載カメラシステムの高性能化
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26730088
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
神納 貴生 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (10636070)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 色見え / 照明演出 / カラー照明 / 物体識別 / 異物検出 / カラーコード / インタラクションシステム |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度はカラー照明シーンの色見え再現を中心に研究を進めた. 近年増加している色を調整可能なカラーLED照明下では,様々な物体の色見えや撮影画像中の特徴が変化する. カラーLEDを用いた照明環境の設計や照明演出では,人が感じるシーンの印象とは別に照明による色彩演出効果を精確に評価する必要がある.そのため,人の色見えモデルを基に色見えを再現と分光放射輝度計により測定した実際の色の保持の双方を同時に実現する必要がある.しかし,それらはトレードオフの関係にあるため,本研究ではそれらの効果を最も効率よく調整可能な機構を設けた.これらの成果は,現在まとめており,論文として投稿予定である. 本研究に関連して,カラー照明下での物体色の推定は非常に困難となる.同型で色の異なる物体の識別を目的とし,照明色にロバストな特徴量の開発を進めている.エッジ特徴量を用いた手法では色情報を使わず照明色に対してロバストに物体検出や物体追跡が可能となるが,例えば同型の物体を識別するには専用の情報を付加する必要がある.撮影された画像から局所領域ごとの照明色情報を推定できれば特徴量に利用できる.この研究は,例えば色彩演出が施された舞台上のように複数の照明が独立に時間的に激しく色変化するような状況での,ロバストな物体識別および物体追跡の実現に寄与すると考える. また,通常の画像とは異なるが超音波画像における異物検出についても開発を行った.超音波での異物検出では異物が作る影が形成するコメットサインに注目し,微弱なサインを分離強調する技術について開発を進めた. さらに現在はカラーコードを利用したジェスチャインタラクションシステムの開発も進めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
購入予定であったハイダイナミックレンジカメラはまだ納品されていない.(4月25日に商品の発送を開始したとの連絡があったため,今年度中には納品されると考えられる)納品されていないため,このカメラですべきサンプル撮影などは後に回し,現在備えている設備で実行可能なカラー照明下での色見えや物体識別の研究について先に進めた.これらの研究に関しては順調な達成度であると考える.
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Strategy for Future Research Activity |
現在,購入予定のハイダイナミックレンジカメラは全方位カメラであり,ストリーミング配信も対応していることから,全方位に対してリアルタイムに物体検出できるシステムの構築し,平成26年度に開発した人検出アルゴリズムを適用し,有効性を確かめると共にカメラの特性を明らかにする. また,ハイダイナミックレンジ画像が持つ微細な特徴を活かし,テクスチャのない同型の物体それぞれを識別して追跡する技術についても研究を進める.これに関連してカラー照明下での実験も行い,複雑な照明色変化にロバストな技術の開発を進める.なお,こちらも現在,一般的な一眼レフカメラで撮影された画像や多重露光画像から生成したハイダイナミックレンジ画像に対して実験を進めていく. また,現在進めているカラー照明下における色見え再現とカラーコードを利用したジェスチャインタラクションシステムは,一定以上の性能が定量的に確認されたため,これの論文化作業をすすめる.
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Causes of Carryover |
購入予定であったハイダイナミックレンジカメラがまだ納品されておらず,その分の費用を確保したため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
現在,購入予定のハイダイナミックレンジカメラは全方位カメラであり,ストリーミング配信も対応していることから,全方位に対してリアルタイムに物体検出できるシステムの構築し,平成26年度に開発した人検出アルゴリズムを適用し,有効性を確かめると共にカメラの特性を明らかにする.
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