2015 Fiscal Year Research-status Report
テキストマイニング分析による史学的知識抽出に関する研究
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26730167
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山田 太造 東京大学, 史料編纂所, 助教 (70413937)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歴史情報 / 日本史 / テキストマイニング / セマンティックウェブ / 情報検索 / メタデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では日本史学研究における研究過程支援のため,史料目録・テキスト等から史学的知識を抽出し,知識間・知識-史料間・史料間などの関係を明確にしながら,内在する史学的知識・暗黙知を外在化する研究を行うため,特に(1)史学的知識の抽出・蓄積,(2)史学的知識間,史学的知識-史料間,史料間の関連性の検出,(3)知識表現・関連表現とそれらを用いた検索手法の確立を解決する. 平成26年度までに,天正期古記録を対象として史学研究者が研究課程で蓄積してきた史学的知識,特に人名・時間に着目して調査・分析を進め,分析結果に基づき,知識および各種関連の表現方法と蓄積方法を確立するために(1)および(3)についてデザインを進めた.これにより,ある人物を時系列的に追跡し,人名間の関係を提示する手法を提案・検討してきた. 平成27年度は,(1)についてさらに深化させ,天正期の古記録テキストから精度の高い史学的知識の抽出を行った.(2)について検討をすすめる上で,対象史料の拡大は必須であると考え,尊卑分脈や柳営補任のような家系図や任免記録も対象として史学的知識の蓄積を行い,これらの結果をもとに,(3)についての対象範囲を拡大するための改善を行った.さらに(3)について,RDFを用いた知識表現・関連表現方法を検討した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
天正期の古記録テキストからの史学的知識の抽出の向上を図りつつ,他の史料についても対象とすべく,尊卑分脈や柳営補任のような家系図や任免記録からの史学的知識の蓄積を行うことができた.これらの結果をもとに,知識表現・関連表現について,RDFを用いた知識表現・関連表現方法を検討するなど,順調に進展することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下の問題に着目しながら本研究を進めていく予定である. ・対象史料の拡大を図ることで,より汎化な人名に関する知識蓄積を目指していく ・独立して蓄積している史学的知識を関連づけながら新たな史学的知識へとつなげていく ・これまでに開発してきたプロトタイプシステムについて,史学研究者から率直な意見を収集し,フィードバックさせることでシステムを改善していく.
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Causes of Carryover |
研究成果報告を行うために計上していた旅費が予定よりも安価だったため.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額としては旅費として計上することを予定している. 次年度における主な研究経費は,旅費および消耗品費を予定している.旅費は本研究成果を国際会議や国内学会・研究会等での研究報告のため不可欠である.消耗品費は研究報告を行うための機材調達等のため必要である.
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