2015 Fiscal Year Annual Research Report
情報社会におけるソーシャルメディアを用いた国会議員の情報発信に関する研究
Project/Area Number |
26730170
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
西田 亮介 東京工業大学, 大学マネジメントセンター, 准教授 (60632768)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 社会情報学 / 情報社会論 / 政治とメディア / ジャーナリズム研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
・前年度までの研究進捗と当該年度前半の包括的な文献調査、予備的な関係者へのヒアリングなどによって、ソーシャルメディアを使った情報発信を行う政治家、政党は戦略的意図を有するものとそうでないものの2つのグループに大別することができ、前者の影響力が情報発信にとどまらず、政治的に見ても大きな存在感をもつものになろうとしていることが明らかになってきた。そのため、本研究は当初、個々の政治家のソーシャルメディア利用にフォーカスしていたが、関心の対象を政治の情報発信のガバナンスへと拡大することにした。というのも、前述の、存在感を拡大させているグループの戦略性には、戦略的一貫性が観察されたため、現象面での情報発信に加えて、その原理/手法/構造/歴史(経路依存性)/動機などを明らかにする必要があると考えたためである。そのため、それらの分析等を当初計画とともに遂行し、その成果を当該年度の研究成果として結実させた。個別に言及すると、「政治ーーすれ違う政治と有権者、理念なきインターネット選挙の解禁」(藤代裕之編『ソーシャルメディア論 つながりを再設計する』所収)では主に選挙に関する制度(2013年改正公職選挙法等)と有権者の変容について概論的に論じ、また『メディアと自民党』においては、自民党という日本で長く与党を担ってきた政党の情報発信とその歴史的変遷、現状認識、ガバナンスなどについて、2013年の参議院選挙などを事例に、とくに多くの1次資料を所収するとともに分析を行った。本書は、とくにジャーナリズム研究/実務家のあいだで広く注目を集めており、当該研究分野の今後の発展の可能性を大いに予見させる成果になったといえる。
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Research Products
(3 results)