2015 Fiscal Year Research-status Report
自動車起源の微量有害成分-ニトロフェノール類の測定法確立と排出実態分析への応用
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26740027
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Research Institution | National Traffic Safety and Environment Laboratory |
Principal Investigator |
小鹿 健一郎 独立行政法人交通安全環境研究所, その他部局等, 研究員 (50597482)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ニトロフェノール類 / 内分泌撹乱物質 / 自動車排出ガス / GC-MS |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、最新規制対応重量車(ディーゼル車)から排出ガスをサンプリングし、ニトロフェノール類を定量した。実物の車両からのサンプリングに先立ち、26年度にサンプリング手法を確立したp-ニトロフェノールに加え、メチル基を有するニトロフェノール類として知られる2-メチル4-ニトロフェノールおよび3-メチル-4ニトロフェノールを同時にサンプリングできる手法を確立した(2-メチル4-ニトロフェノールおよび3-メチル-4ニトロフェノールともに生体影響が報告されている)。また、p-ニトロフェノール、2-メチル4-ニトロフェノールおよび3メチル-4ニトロフェノールの揮発性に関する実験を行い、希釈トンネルを使用した排出ガスの捕集条件下では、3種のニトロフェノール類は一部気体として存在し、固体微粒子を捕集するためのPM(particulate matter)フィルターをすり抜けてしまうことを明らかにした。この気化成分のすり抜けに対して、合成吸着剤を使用することで、PMフィルターに捕集される固体成分に合成吸着剤に捕集される気体成分を合わせた排出ガスに含まれる総量を明らかにすることに成功した。 車両からのサンプリング試験は、路上走行ではなく、再現性の高い走行試験が実施可能であるシャシダイナモメーターを用いた台上試験により行った。国内の排出ガス試験で用いられる試験サイクルであるJE05テストサイクルで走行試験を行った結果、約30分の走行試験でのニトロフェノール類の排出量は非常に少なく、GC-MSの定量下限付近であったため、走行条件や走行時間を工夫することでより精度高く定量できる手法の検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度の進捗はやや遅れていたが、試験の効率を高めることで、予定に対し、概ね順調に進展した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成28年度は、複数の車両に対して、p-ニトロフェノール、2-メチル4-ニトロフェノールおよび3メチル-4ニトロフェノールの排出量を調査する。このとき、車種を変更することによって、燃料の種類や排出ガス後処理の違いによる影響について評価を行う。
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Causes of Carryover |
車両試験の実施回数が大幅に少なかったため、使用額が少なかった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
28年度は、車両試験において、燃料の種類や車種によって条件を振り検討を行う。 (車両試験の回数が大幅に増える見込み)
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Research Products
(1 results)