2016 Fiscal Year Annual Research Report
Suggesting a self-production and self-consumption area about energy by farmland planning methodology
Project/Area Number |
26740053
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Research Institution | Nagano University |
Principal Investigator |
森本 英嗣 長野大学, 環境ツーリズム学部, 助教 (00632598)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バイオマス / ヤナギ / エネルギー効率 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,前年度の成果をもとにヤナギ生産におけるエネルギー効率性とヤナギ生産としての新たな農地利用の可能性を整理した。 本研究において,ヤナギ生産に要した経費では性質が類似する森林バイオマスならびに化石エネルギー(灯油,A重油,天然ガス)に対する熱量単価の優位性は十分に確認されなかった。しかしながら,運営費用同様,生産方法の改善,特に収穫方法の改善により化石エネルギーに対する優位性は十分にあると考えられる。ただし,化石エネルギーの価格変動に左右されるが,利用範囲はかなり限定され少なくとも20 kmもしくはそれよりも狭い圏域での利用が前提となる。近年,施設栽培用の木質ボイラーや小型ガス化発電装置の開発・普及が進み,エネルギー地産地消のハード面が整いつつあることを考えると,ハード面の整備状況にもよるが,遊休地を活用したヤナギ生産は,従来の主要農産物と大きく乖離した生産事業ではないと考えられる。今後は,エネルギー生産効率性(ヤナギ利用による獲得エネルギー/生産に要したエネルギー)や使い易さ等の視点から,ヤナギがエネルギーの原料として利用できるか否かを検証する必要がある。 現時点で,ヤナギの生産・利用に関して多くの課題が浮き彫りになったが,本研究は,国内の小規模農地でのヤナギ生産の可能性を微量ながら示したものであり,これを基軸に将来の遊休地や耕作放棄地のエネルギー生産場としての可能性を示唆したといえる。
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