2015 Fiscal Year Research-status Report
粗放的な屋上緑化の緑化技術、環境改善効果および心理評価に関する研究
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26750001
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Research Institution | Tokyo City University |
Principal Investigator |
永瀬 彩子 東京都市大学, その他部局等, 准教授 (80544535)
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Project Period (FY) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 生物多様性 / ヒートアイランド現象緩和 / 都市生態学 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 粗放的な屋上緑化の植生変化および生物多様性創出効果:昨年度から継続して、粗放的な屋上緑化(屋上はらっぱ)において、近隣の植生を利用した区と購入した自生種の区を設置し、生息可能な植物の評価および生物多様性の創出の調査を月1回行った。また、10階に設置されている集約的な屋上緑化(ビオトープ)およびハーブガーデンの生物多様性調査も同時に行い、比較を行った。ビオトープが最も多くの昆虫の種数が見られたが、はらっぱやハーブガーデンでは異なる種類の昆虫を誘引することができたため、目的によって使い分ける必要があることが示された。
2.屋上緑化の温熱環境に関する研究 ~植栽の違いが与える影響~:持続的で効果的な環境改善を明らかにするため、草丈や葉の形状が違う自生種5種およびその混合を用いて、冬の断熱効果の検証を行った。また、土地の気候や環境条件の違いにより、断熱効果に違いが出るのかを検証するため、東京と石川において比較を行った。熱フラックスの分析結果より、冬季の東京・石川共にギンゴケ、セダム、スズメノヤリ、混合栽培が断熱性に効果的であることが示された。夏のヒートアイランド緩和効果を調査するため引き続き調査を行っている。
3.蝶誘致の可能性~屋上と地上との比較から見る誘致のための条件~:チョウ4種、ナミアゲハ、キアゲハ、ルリタテハ、キタキチョウのチョウの食草および蜜源植物6種類を植栽したプランターを隣接する屋上と地上に設置し、8月~10月の3カ月、週に1度、チョウの利用について見取りで調査を行った。その結果、ナミアゲハおよびキタキチョウを誘致することが可能であったが、地上のほうが優位に多くのチョウを誘致することが可能であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
所属の異動が決定したため、開始することができなかった研究がいくつかあった。予定していた研究を2016年度にすべて終了させる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、以下の調査について、引き続き研究を行う。 1. 粗放的な屋上緑化の植生変化および生物多様性創出効果について 2.屋上緑化の温熱環境に関する研究 ~植栽の違いが与える影響~ 2.については、同じ植栽を用いて、温熱環境に加え、雨水流出効果の違いについても調査を行う。 3. リサイクル材(土壌基盤および排水層)の利用と植物の生長
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Causes of Carryover |
所属の異動が決定したため、開始することができなかった研究がいくつかあったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験の設置による物品の購入、国際学会や調査のための旅費使用を予定している。
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